2019年セ・リーグ優勝を果たした読売巨人軍。
FAで丸佳浩選手、炭谷銀仁朗選手を獲得、その他にも上原浩治、岩隈久志、中島裕之といった元メジャー組や外国人ではライアンクック選手、ビヤヌエバ選手、デラロサ選手と補強を続けてきました。
一方で、一軍登録選手も多く、若谷チャンスを与え続け、育成の巨人の復活か??とも思えるような采配も見せてくれた原監督。
補強は外様だけでなく、生え抜きの若手選手もしっかりと起用し2020年に繋げてくれているので、期待感が高まるばかりです。
しかし、FAの人的補償で生え抜きのリーダー格とも言える内海哲也選手、長野久義選手を失う事にもなり、「生え抜きの選手を軽視している」という声もあり、批判にさらされる事もあるのが、巨人の宿命でもありますが・・・
巨人だけが果たして生え抜きの選手を軽視していると言えるのでしょうか?検証してみたいと思います。
読売巨人軍2020年の生え抜き選手一覧
まずはじめに、巨人の生え抜き選手を一覧にしてみたところ、外国人と他球団から移籍してきた選手を除くと、
2020年新背番号 | 2019年支配下登録選手 | 一軍登録 | 2018年ドラフト選手 | 出場試合数 |
0 | 増田大輝 | ○ | 75 | |
6 | 坂本 勇人 | ○ | 143 | |
9 | 亀井 善行 | ○ | 131 | |
13 | 戸郷翔征 | ○ | 2 | |
15 | 澤村 拓一 | ○ | 43 | |
18 | 菅野 智之 | ○ | 22 | |
22 | 小林 誠司 | ○ | 92 | |
24 | 大城卓三 | ○ | 109 | |
25 | 岡本 和真 | ○ | 143 | |
26 | 高橋 優貴 | ○ | ○ | 18 |
28 | 田口 麗斗 | ○ | 55 | |
29 | 吉川尚輝 | ○ | 11 | |
31 | 畠 世周 | ○ | 5 | |
35 | 桜井 俊貴 | ○ | 29 | |
37 | 若林 晃弘 | ○ | 77 | |
38 | 岸田 行倫 | ○ | 4 | |
41 | 中川 皓太 | ○ | 67 | |
43 | 重信 慎之介 | ○ | 106 | |
45 | 今村 信貴 | ○ | 17 | |
46 | 鍬原拓也 | ○ | 16 | |
50 | 戸根 千明 | ○ | 26 | |
51 | 田中 俊太 | ○ | 62 | |
52 | 北村 拓己 | ○ | 5 | |
53 | 高田 萌生 | ○ | 2 | |
54 | 直江 大輔 | ○ | ||
56 | 山本 泰寛 | ○ | 92 | |
57 | 高木 京介 | ○ | 55 | |
58 | 宮國椋丞 | ○ | 29 | |
59 | 松原 聖弥 | |||
61 | 増田 陸 | ○ | ||
62 | 横川 凱 | ○ | ||
63 | 田原誠次 | ○ | 25 | |
64 | 大江 竜聖 | ○ | 8 | |
65 | 松井 義弥 | ○ | ||
66 | 村上 海斗 | |||
69 | 田中 貴也 | ○ | 1 | |
93 | 湯浅 大 | |||
94 | 加藤脩平 | ○ | 5 | |
95 | 堀岡隼人 | ○ | 3 | |
99 | 山下航汰 | ○ | ○ | 12 |
引退 | 阿部慎之助 | ○ | 95 | |
戦力外 | 坂本工宜 | ○ | 2 | |
合計 | 42 | 35 | 6 |
43名が2019年の生え抜き支配下登録選手となりますが、その中で35名が一軍登録されています。
割合で言えば、82.92%が一軍登録され、それぞれチャンスがあったという事が言えます。
また、7人の新人のうち
3人がすでに一軍を経験しており、生え抜き選手にチャンスは与えられていますので、割合で言えば42.85%となります。
確かに、2019年は
- 岩隈久志
- 中島裕之
- 上原浩治
の元メジャー経験選手の獲得もあったので、生え抜き選手からすると厳しい競争だったとは思いますが、原監督は生え抜きの若手選手は「積極的に起用」していますし、ベテランといっても優遇される事はほとんどありませんでした。
中島裕之選手だけは、ちょっとだけ優遇されているような印象もありましたけど・・・汗
また、外国人も
- アレックス・ゲレーロ
- テイラーヤングマン
- CCメルセデス
- クリスチャンビヤヌエバ
- ライアンクック
- スコットマシソン
- ルビーデラロサ
と7名登録されており、常に4名の外国人一軍枠を使っていて、先発、リリーフ、スタメンとそれぞれのポジションで競争が激化したという事もありました・・・
が、外国人枠は最大で4人というのは、どのチームも同じ条件ですから、生え抜きを軽視しているという事とはリンクしないと、個人的には思います。
原監督は決して生え抜きを軽視していない
ここまでご覧の通り、2019年の原巨人は生え抜きを軽視しておらず、若手にも少ない中でもチャンスを与えてきています。
また、育成選手も
3選手が、シーズン中に支配下登録されるなど、積極的に育成選手の起用も行っていますので、何度も繰り返しになりますが、原監督は決して生え抜きを軽視する事ないですし、また育成にも力を注いで、チャンスを与えている事が分かります。
FA選手獲得による人的補償で悪いイメージが定着?
では、巨人で生え抜きを軽視していると見られるようになったのは、なぜなのか??を考えてみたのですが、大きなイメージ定着の理由として「FA選手の獲得と人的補償による若手選手の流出」があると思います。
過去に、巨人にFA移籍してきた選手と、移籍に伴い人的補償でプロテクト外の選手が移籍したケースをまとめてみたのですが、
移籍年 | FA選手 | 人的補償 |
1996年 | 清原和博 | |
1999年 | 工藤公康 | |
2000年 | 江藤智 | |
2001年 | 前田幸長 | 平松一宏 |
2005年 | 豊田清 | 江藤智 |
2005年 | 野口茂樹 | 小田幸平 |
2006年 | 小笠原道大 | |
2006年 | 門倉健 | 工藤公康 |
2009年 | 藤井秀悟 | |
2011年 | 杉内俊哉 | |
2011年 | 村田修一 | 藤井秀悟 |
2013年 | 片岡治大 | 脇谷亮太 |
2013年 | 大竹寛 | 一岡竜司 |
2014年 | 金城龍彦 | |
2014年 | 相川亮二 | 奥村展征 |
2015年 | 脇谷亮太 | |
2016年 | 山口俊 | 平良拳太郎 |
2016年 | 陽岱鋼 | |
2016年 | 森福允彦 | |
2017年 | 野上亮磨 | 高木勇人 |
2018年 | 炭谷銀仁朗 | 内海哲也 |
2018年 | 丸佳浩 | 長野久義 |
26名のFA選手が移籍してきていますが、その中で巨人から人的補償で移籍していった選手は12名、割合で言えば46.15%です。
過去のFA移籍を見ると、同等に活躍が見込まれる実績のある選手が、プロテクトから外れていれば獲得されている印象でしたが、
- 一岡竜司
- 奥村展征
- 平良拳太郎
のように、入団3年以内の若手有望株が相次いで流出した事で「生え抜きの選手を軽視している」といった批判が起こったのだと思われます。
プロ野球は強いチームがあってこそ成り立つスポーツビジネス
筆者の個人的な見解にもなりますが、野球に限らずプロスポーツはすべて「ビジネス」であって、勝利が義務付けられているのは、巨人だけでは無く、それぞれの球団は勝つために補強するのは当然の事だと思います。
補強費があるのであれば、効率よく補強を進めるべきですし、メジャーのように活発にトレードがあっても本来は良いはずですが、日本ではトレードは後ろ向きな印象がつきまといます。
現役ドラフト制度をはじめ、生え抜きという枠だけにこだわらず、プロ野球界全体の発展を願って、真に強いチームを作る事は、批判される事でもなく、むしろ当然だという事で、巨人がFAで本当に必要な選手を獲得するのは、ルールに則っているし、当たり前の行為だと言っても良いと思います。
ただし、本当に必要な選手だけ・・にしてほしい・・という事だけは小声で言わせて下さい・・汗
巨人の生え抜き選手で2000本安打を達成した選手一覧
ここまで、巨人(原監督)は決して生え抜き選手を軽視した起用はしていないという事を書かせて頂きましたが、生え抜き選手の中で2000本安打を達成している選手が5人います。
生涯安打数と共に紹介したいのですが、
生涯安打数 | |
川上哲治 | 2351安打 |
長嶋茂雄 | 2471安打 |
王貞治 | 2786安打 |
柴田勲 | 2018安打 |
阿部慎之助 | 2132安打 |
2017年8月に阿部慎之助選手が2000本安打を達成しましたが、2020年には坂本勇人選手が32歳という若さで達成する見込みです。
2019年シーズン終了時の安打数は1884安打、残り116安打ですので、順調にシーズンを消化すれば坂本選手であれば、十分達成するでしょう。
また、生涯ジャイアンツ宣言もしましたので、NPBの安打記録を持つ張本勲氏の3085本も抜いてくれると期待したいですね!
→ 坂本勇人選手のホームランは来季も増加する?これからの生涯年俸や成績を予測してみた
ちなみに、監督経験を持つ原辰徳監督と高橋由伸監督の生涯安打数ですが、
生涯安打数 | |
原辰徳 | 1675安打 |
高橋由伸 | 1753安打 |
と、それぞれ2000本安打に届かず引退しています。
巨人の生え抜き200勝投手の一覧
続いて、巨人の生え抜きの200勝投手を調べてみたのですが、残念ながら200勝に届いている投手は2人だけでした。
生涯勝利数と合わせて紹介しますと、
生涯勝利数 | |
中尾碩志 | 209勝 |
堀内恒夫 | 203勝 |
ちなみに、3本柱として第二次長嶋政権を支えた斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄3選手の勝利数ですが、
生涯勝利数 | |
斎藤雅樹 | 180勝 |
槙原寛己 | 159勝 |
桑田真澄 | 173勝 |
また、上原浩治選手はNPBのみの勝利数112勝、菅野智之投手は87勝と巨人の大エースと呼ばれる選手でも200勝ははるか遠くです。
投手の分業制や球数制限など、完投が少なくなっている現代野球で、200勝はハードルが高いので、達成者は今後も難しいと思われます。
巨人の生え抜き選手についてのまとめ
2018年の高橋由伸監督から2019年原辰徳監督に引き継がれ、生え抜きの4番バッター岡本和真選手が一本立ちしました。
坂本勇人選手は、キャリアハイの40本塁打を放ち、セ・リーグのMVP選手となり、円熟期を迎えました。
投手では、菅野智之選手は2019年こそ腰痛に悩まされ思うような結果が出せませんでしたが、球界一のピッチャーとなり、2020年は東京オリンピックのエースと期待されています。
投打の軸を生え抜きが固める中、ベテラン生え抜き選手の亀井善行選手、澤村拓一選手が奮闘、若手も多くの選手が一軍起用され、チャンスを与えられてきました。
2020年は、特にセカンドのレギュラーが固定されていないので、
特に上記の4選手はチャンスがあるので、生え抜き選手がレギュラーを獲って欲しいと願っています。
とは言え・・・
ファン心理からすると、生え抜き選手が活躍するのは嬉しいですし、ロマンがあって良いのですが・・・
繰り返しになりますが、巨人だけではありませんが、プロ野球は「スポーツビジネス」ですから、勝つためにはどうすれば良いのか?が一番でなければならないと思います。
内海哲也選手や長野久義選手の移籍は、残念な側面はありましたが、結果論になりますが、2019年の結果を見れば、プロテクト外になっていても仕方が無い成績です・・・
もちろん、若手の模範となったり、成績以外の部分で二人の貢献度は計り知れないとは思いますが、その点を差し引いても、今回の判断は致し方ないと言えると思います。
生え抜き擁護をするのではなく、生え抜き選手にチャンスを与え、結果を残せるようにファンは一生懸命に応援する事でサポートしてあげれるのが一番だと筆者は思いますので、これからも筆者目線でブログを更新していきますので、今後とも応援よろしくお願い致します。
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