巨人ファンは、岡本和真に続き、楽しみな若手が出てきた事に、狂喜乱舞している事でしょう!
今年入団した新人選手、しかも入団当初は育成選手だった山下航汰選手。
この名前は、巨人ファンでなくとも、是非とも知って頂きたい選手になるのでは無いか??と思い、今回は山下航汰選手の特集記事を書かせて頂きます。
山下航汰の高校時代までのプロフィール、そしてプロ入団後の二軍成績から、支配下登録後の一軍成績、そして最新の情報を交えて順を追って紹介していきます。
山下航汰 高校までの評価
まずはじめに、山下航汰選手の高校時代までの評価やプロフィールを見ていきたいと思います。
2018年のドラフト1位は、この通り。
重複外れ2回目 | 重複外れ1回目 | ||
広島 | ◯小園海斗 | ||
ヤクルト | ◯清水昇 | ×上茶谷大河 | ×根尾昂 |
巨人 | ◯高橋優貴 | ×辰己涼介 | ×根尾昂 |
DeNA | ◯上茶谷大河 | ×小園海斗 | |
中日 | ◯根尾昂 | ||
阪神 | ◯近本光司 | ×辰己涼介 | ×藤原恭大 |
西武 | ◯松本航 | ||
ソフトバンク | ◯甲斐野央 | ×辰己涼介 | ×小園海斗 |
日本ハム | ◯吉田輝星 | ×根尾昂 | |
オリックス | ◯太田椋 | ×小園海斗 | |
ロッテ | ◯藤原恭大 | ||
楽天 | ◯辰己涼介 | ×藤原恭大 |
山下選手の名前は、もちろん挙がっておらず・・
この年のドラフトは、甲子園で活躍したいわゆる高校ビック4と呼ばれたり、四天王と呼ばれる
- 中日ドラゴンズ根尾昂内野手
- 日本ハムファイターズ吉田輝星投手
- 千葉ロッテマリーンズ藤原恭大外野手
- 広島東洋カープ小園海斗内野手
の注目度が高く、重複必至という中でのドラフト会議だったのですが、山下選手は高校時代は目立っていなかったのか??と言えば、そんな事もなく、実は前評判はそれなりに良かったのです。
しかし、ドラフトは前評判がいくら良くても、あくまでメディア報道を通したもので、実際のスカウトや球団の評価は??と言えば、各球団の戦略に関わるところですから、ドラフト1位良くても3位までに上がる名前以外は、正直なところ信憑性に欠ける情報も多いのが事実です。
山下航汰選手のプロフィール
公式サイトの選手プロフィールによると、
- 身長 176cm
- 体重 80kg
- ポジション 外野手
となっていますが、出場機会を増やすためにファーストの守備練習に励んでいる姿もYou Tubeでも見かけられました。
動画撮影者の方も動画紹介で書かれていましたが、課題の守備を鍛えるため、日々の鍛錬を怠らず、本当に練習熱心だったそうで、キャプチャーを見てもお分かり頂けるくらい、ユニフォームを汚して笑顔で練習しているのが、またファンの心をくすぐりますよね!
そもそも、山下選手を育成選手で穫れた事自体、奇跡的な事で、他の球団からが「身長(身体能力)と守備位置」がネックでの指名回避だったようです。
最近のNPBドラフトの傾向として「一芸に秀でる=育成で獲得」の傾向が強く、ソフトバンクのエースに成長した千賀滉大投手、甲斐キャノンとして知られる甲斐拓也捕手なんて、まさにこの法則にあてはめられた選手です。
千賀投手は高校時代まったくの無名、スポーツ店の店主の動画売り込みがなければ、スカウトを派遣する事もなかったであろう選手・・
甲斐捕手も、育成獲得時のドラフト1位には山下斐紹という高校生捕手を獲得、その後も九鬼隆平など高校生の有望な捕手を獲得していてライバルが多い・・
そんな中でも3軍制を敷くソフトバンクの育成で叩き上げられて成長した選手です。
このような一芸に秀でるもしくは光るものがある原石タイプは支配下登録でなく、少し時間がかかるという意味合いで育成選手になる可能性が高いです。
しかし、山下選手はどうか??と言えば、「足を使った野球を学びたい」という事で、機動破壊として知られる群馬県高崎市の健大高崎高校で1年春からベンチ入りを果たしています。
「高校通算本塁打75本」を誇り、甲子園出場は2017年センバツに出場しており、スカウトの間でも知られる存在でした。
高校通算本塁打は、あまり参考にならない・・と言われる事もありますが、ボールにスピンをかけて、遠くへ飛ばす打ち方が出来るのか?それとも金属バットの力で運んでいるのか??はスカウトが見れば一目瞭然です。
実際、高校生からプロ入りした多くの子が、まずはじめにぶつかる壁が「木製バットへの対応」と言われています。
また、パワーをつけるだけでなく、スイングスピードを上げていかないとプロの変化球への対応も難しいと言われていますので、木製バットを扱う柔軟なフォームと力強いシャープなヘッドの走りがなければいけないのです。
では、山下選手の高校時代のスイングはどうだったのか??という事で、確認したみたのですが、
2年生の時の映像ですが、まだまだ身体が細いですが、フォームはとても柔らかくキレイに振り抜いているなぁという印象。
肩はレベルに触れていて、変化球も直球も崩されることなく、自分の形で打てていると思います。
丸佳浩選手と清宮幸太郎選手を足して2で割ったようなフォーム、2年生ながら素晴らしいスイングスピードだと思います。
しかし、先程も書かせて頂いたように、他の球団からが「身長(身体能力)と守備位置」がネックで指名回避されたとの事ですが、巨人の外野手で見ると
- 丸佳浩 身長177cm 体重90kg
- 亀井善行 身長178cm 体重82kg
- 石川慎吾 身長178cm 体重80kg
- 重信慎之介 身長173cm 体重74kg
と、丸選手もプロ入団後に体重を徐々に増やしてきていますので、身長(身体能力)でプロ選手と見劣りするか?と言えば、そんな事はありません。
どちらかと言えば、守備位置が外野手のみでお世辞にも上手だと言えないレベル・・機動破壊の健大高崎にあっても走塁技術が高いわけでも、走力が高いわけでもない・・
という事で、外国人補強で十分賄えると考える球団が多かったのが本音だったのかも知れません。
しかし、巨人の事情はちょっと違ったようで、前年度に岡本和真選手が右の大砲として覚醒はし、坂本勇人選手と右の人財は豊富だったのに対して、左打者は阿部慎之助、亀井善行と高齢化が進んでおり、FAで丸佳浩を獲得しなけれなならなかった・・
というほど、左の長距離砲獲得は課題として上がっていたのです。
そこで、守備と走塁はプロ入り後に鍛えて伸ばす事とし、天性的なバットコントロールとスイングスピードを持つ打力を買っての指名という事で、育成ドラフト1位の指名に至ったのです。
実際、プロ入り後の指名挨拶で、山下選手は
「5年目に1軍でレギュラー定着する」
とコメントしたとおり、長期的な育成という覚悟を持って入団してきていますが、実際は入団後わずか半年で支配下登録され、1軍デビューも果たしましたので、育成プラントしては順調に進んでいると見て良いのかな??と思います。
山下航汰 2019年2軍成績は??
ここまで高校時代のプロフィールとプロ入団までを見てきましたが、ここからはプロ入り後の成績について確認していきましょう。
打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 長打率 | OPS |
0.332 | 106 | 7 | 40 | 6 | 21 | 42 | 0.489 | 0.867 |
安打数は千葉ロッテマリーンズの 安田尚憲選手の116本、ホームラン19本とトップの座を譲りましたが、イースタン・リーグ首位打者、OPSは.867と素晴らしい数字を残しました!
また、山下選手はファーストストライクから積極的に振っていくのが持ち味で、四球が少ないですが、三振も少ないタイプで、主に3番を打っていました。
ちなみに1軍の成績ですが、
12試合出場 12打席2安打、2三振
という結果で二軍落ちしていますが、9月の優勝争いの時期に昇格し、一軍の空気を味わえた事は二年目の飛躍に必要な大きな経験だったのでは無いでしょうか。
※ちなみに一軍では藤川球児投手との対戦もありました・・この対戦は大きな糧になるでしょうね。
山下航汰 最近の動向
育成選手から支配下登録、二軍では首位打者を獲得と素晴らしい1年を過ごした山下選手ですが、ここで油断していては2020年以降のレギュラー獲りは叶いません。
という事で、最近の動向を調べてみたところ、今はフェニックスリーグに参戦しているようで、最終戦の阪神戦ではレギュラークラスの望月投手のカーブを強打し逆転3ラン!!
48分ごろから山下選手の打席が始まります、初級の甘く入ったカーブを強振です。
バッティングフォームは、高校時代からら変わらないテイクバック、リストの柔らかさを感じる、力感の無いリラックスした構えですが、太ももと胸板の厚さが全く違っていて、プロ入り後の努力の成果が見られます。
バッティングフォームは、個人的には福留孝介選手に似ているかな?という印象です。
この試合がフェニックスリーグの最終戦ですが、このオフにさらなる努力を積み上げて、来年はレギュラー争い、一軍定着を是非とも果たしてほしい、そしてゆくゆくは岡本和真選手と中軸を打てる選手になってほしい、切に願います。
追記 2019年11月27日
動画が削除されていたため、新しくウィンターリーグの様子の動画を見つけましたので、更新します。
山下航汰選手まとめ
余談ですが、他にもヤングジャイアンツには、今期107安打を放って66打点をあげた北村拓己選手、昨年の日米野球でブレークした松原聖弥選手、育成からの支配下登録された加藤脩平選手ら。
そして、今年1軍で活躍した増田大輝選手、田中俊太選手、若林晃弘選手、怪我に泣かされた吉川尚輝選手・・
巨人の未来は明るいなぁ・・・と本当に思いました!
ここに挙げた選手も、それぞれこのオフの間に特集記事を書こうと思いますが、筆頭格である山下航汰選手。巨人ファンならず野球ファンなら育成選手からの一軍への下剋上。
ぜひとも、楽しみにしてて下さいね。
追伸 2019年10月29日 追記
ソフトバンクのFA選手福田秀平選手の獲得について、巨人は「若手も育ってきているので獲得には消極的」とコメントしています。
依然として、千葉ロッテマリーンズのサード鈴木大地選手の獲得に動く可能性がありますが、外野手争いではレフトとライトは亀井善行とアレックスゲレーロの準レギュラーもしくは、レギュラー争いを繰り広げてほしいなぁと願います。
2019年11月27日追記
福岡ソフトバンクホークスの福田選手はロッテへ移籍、巨人もFA補強無しです。
プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD」にて、ファーム新人賞を受賞、ファームで首位打者で文句なしの受賞で、イチロー選手以来の快挙だそうです。
巨人の補強が進んでいます。