2015年真中監督のもとでセ・リーグ優勝を果たした東京ヤクルトスワローズ。その後低迷続きも2018年には小川監督のもとで2位と躍進。
2019年もリーグ屈指の攻撃力は健在というところで、ペナントレース制覇を予感させていましたが、残念ながら圧倒的な最下位。
投手力が壊滅的で、先発、中継ぎ、抑えと全てのポジションで課題を抱えている中、2020年シーズンに向けて高津臣吾新監督のもと、着々と補強が進められています。
一方で、本日のトレンドニュースに「バレンティン保有者名簿から外れる」という見出しが踊っており、自由契約になる可能性が大という事で、退団すると見られています。
FA宣言をしないとは言え、自由契約の方がより良い契約を取れる可能性があるという算段をつけていたとも報道にある通り、バレンティン選手は「優勝できるチームに移籍したい」という希望を叶えることになりそうです。
→ バレンティン選手は巨人に移籍するのか?FA宣言よりも自由契約の方がメリットあるの?
バレンティン流出により、大きな攻撃力ダウンはあるものの、19歳の新鋭村上宗隆選手はじめ、若手選手が活躍していますので、楽しみなチームでもあります。
今回は、そんな東京ヤクルトスワローズ期待の若手を特集してみたいと思います。
<注意書き>
その1 筆者の独断と偏見、ニュースの情報などを加味しての選出ですが、各球団の戦力分析も兼ねて、筆者の知識を増やしたいと思っています。そのため、是非とも読者様の中で「この選手も良いよ」という方がいらっしゃれば、分析の上で追記していきたいと思いますので、コメントなどいただければ幸いです。
その2 プチブレイクした選手も中には含まれています。タイトルホルダーや二桁勝利、打率.250以上、ホームラン二桁、盗塁二桁経験者は除外とします。
東京ヤクルトスワローズ 期待の若手2020投手編
それではまず投手から見ていきたいのですが、その前に2019年に獲得したドラフト投手から紹介しておきましょう。
1位 | 奥川 恭伸 | 星稜高 |
2位 | 吉田 大喜 | 日本体育大学 |
3位 | 杉山 晃基 | 創価大学 |
4位 | 大西 広樹 | 大阪商業大学 |
上位指名4名が全て投手という珍しい構成。
今年の結果(チーム防御率セ・リーグ唯一の4点台の4.78、二桁勝利ゼロ)を見れば致し方ないですが、なんと言ってもドラフト1位が星稜高の奥川投手!
巨人ファンとしては、巨人に是が非でも入団してほしかった逸材ですが・・涙
残念ながら抽選に破れてのヤクルトスワローズ入り、是非とも頑張ってほしい選手です。
それぞれのスカウト評などを見ていくと、1位の奥川投手は即戦力の超高校級ピッチャー。
ストレート、変化球の制球、キレ共に抜群で、特にスライダーへの評価が高い選手です。
記憶に新しいところでは、U18ワールドカップに出場しスーパーラウンドでカナダを相手に7回1失点(1本塁打)、18三振の快投。
韓国人コラムニストも「すでに制球は最上級」、「彼はマシーン」と評価し、この試合のスカウティングスケールでは「グレード70」と、メジャークラスの評価までされているほどです。
プロの水になれて、体力が付けば、5月ごろから一軍で活躍していてもおかしくはないでしょう。
2位の吉田大喜投手ですが、侍ジャパン大学代表のセットアッパーを務めていた投手。
ストレートが最速150キロ、変化球共に制球力が高く、日体大でコーチを務める元中日ドラゴンズの辻コーチも投球の組み立てが上手いと評価していますが、ヤクルトスワローズはリリーフが壊滅的なので、救世主となれるか?注目です。
3位の杉山晃基投手ですが、最速154キロのストレートが武器の即戦力ですが、同大学で複数指名でソフトバンクホークスに入団した創価大学出身という事もあり、評価が二分されるところ。
侍ジャパン大学代表は落選しているが、チームでは守護神として活躍していたので、田中投手と違い、当初から決められた役割を与えると力を発揮するかも?
4位の大西広樹投手ですが、中日に2位で指名された橋本侑樹選手と共に大商大を勝利に導いてきた2枚看板の一人。
176センチと上背はないですが、関西リーグで1年から活躍し、4度の最優秀投手賞を受賞、リーグ通算24勝2敗、防御率1.23と「勝てる投手」と評判が高いです。
どちらかと言えば先発タイプのため、勝ち運をヤクルトにもたらす事が出来るか??即戦力に期待のピッチャーです。
奥川投手を取れた事は、一番大きいですが、個人的な感想として「左投手ゼロは偏っていないか?」が心配です。
ヤクルト投手陣を見ると、左は
- 石川雅規 今季8勝
- 山田大樹 今季5勝
先発はこの二人しかいませんし、リリーフの左は
- ハフ 今季68試合登板
- 中尾輝 今季12試合登板
- 久保拓眞 今季16試合登板
と3名しかいませんので、心許ない気がしてなりません。
2020年 プチブレイク候補投手編
ドラフト選手を確認したところで、支配下登録選手の2020年にブレイクしそうな投手をチェックしてみましょう。
まず最初に、2018年ドラフト1位の「清水昇」投手です。
根尾昂(大阪桐蔭)、上茶谷大河(東洋大)と外れ外れからの1位指名なので、実力的に1位指名と横並びか?
と言われると評価が二分しますが、今年はほとんどがファーム暮らしで、一軍出場は11試合登板のみでした。
一軍では3試合の先発出場がありますが、未勝利に終わった今季、この結果を受けて先発か中継ぎか、どちらに適正があるのか?をしっかり見極めて来季に望んでほしいと思います。
次に、2016年ドラフト1位「寺島成輝」投手です。
履正社高等学校からドラフト指名ですが、入団後の3年間で一軍登板数が5と寂しいですが・・・
同じ年のドラフトでは、すでに1軍でレギュラーとして活躍している選手が多く、楽天の藤平尚真、西武の今井達也、オリックスの山本由伸、阪神の才木浩人、広島のアドゥワ誠など、才能豊かな世代なだけに頑張って欲しいと願っています。
先ほども書きましたが、ヤクルトは右編重のため、左の本格派の成長は絶対に必要ですので、寺島選手には期待しています。
次に話題性というところもありますが、2017年ドラフト3位「蔵本治孝」投手です。
くらモンの愛称で呼ばれていますが、当時の小川監督にはキャンプで「捕手の評価がいいのは蔵本。ボールに力があって、くせ球」と評価されていた右腕。
体重が95キロあり、重量級の見た目は迫力十分。背番号22と言えば高津臣吾新監督の番号・・・
高津臣吾監督が付ける事になったので、蔵本投手は背番号変更となりますが、心機一転頑張ってほしいですね。
最後に、九州共立大学から2018年ドラフト7位入団「久保拓眞」投手です。
数少ない期待の左腕投手ですが、2019年は下位指名ながら1軍で16試合に登板し、経験を積んでいます。
来季は主に中継ぎで起用されると思いますが、技巧派左腕としてヤクルトには珍しいタイプだと思いますので、是非とも頑張って欲しいと思います。
他にも、星知弥投手、原樹理投手と、ポテンシャルの高い投手も多いヤクルトの若手投手陣。
来季は、ドラフト選手含め、熾烈な一軍争いが繰り広げられると思いますが、チーム内の競争を勝ち上がって、一軍定着する選手が一人でも増えてほしいですね。
東京ヤクルトスワローズ 期待の若手2020野手編
次に野手編になりますが、まずはドラフト獲得野手の確認をしますと、
5位 | 長岡 秀樹 | 八千代松陰高 内野手 |
6位 | 武岡 龍世 | 八戸学院光星高 内野手 |
両選手ともに高校生内野手のため、2020年にデビューする事はよっぽどの事がない限り期待出来ませんが、注目は6位指名の「武岡龍世」選手。
ドラフト前の評判は高く、メディアに取り上げられる事も多かった選手ですが、まさかの下位指名ですがこの順位で獲得できるのがラッキーな選手です。
坂本勇人選手の母校という事もあり坂本勇人二世とも呼ばれる逸材ですが、U18ワールドカップで打率.125と木製バットへの対応が不安視された可能性はあります。
それでも8試合に出場し、遊撃、二塁、三塁、右翼と複数ポジションをこなせる点や50m5.9秒を誇る俊足と走攻守高いレベルにある事は間違いありませんので、下位からの下剋上を証明してほしいところです。
2020年 プチブレイク候補野手編
次に、支配下登録選手の2020年ブレイク候補を確認していきたいと思います。
2019年は、村上宗隆選手だけでなく、廣岡大志選手もブレイクしてきましたので、来季もこの二人に続く選手が出てくるか?楽しみなところですが・・
一人目ですが、2017年ドラフト4位「塩見泰隆」選手です。
キャンプで期待され、オープン戦では打率.385、2本塁打、7打点、12盗塁と結果を残し開幕スタメンを飾るも、年間通じて活躍できず・・
それでもファームでは、74試合.310、16本塁打、23盗塁と走攻守高いレベルである事を証明したので、1軍クラスに慣れれば、三拍子揃った選手になれそうな逸材です。
来季はバレンティン選手が退団するので、外野手はチャンスが大きいと思いますので、頑張ってほしいですね。
2人目ですが、ヤクルトのなかやまきんに君こと2018年ドラフト2位「中山翔太」選手です。
一軍出場は35試合ですが、打率.289、5本塁打、長打率はなんと.485も誇る長距離砲として期待されています!
グビグビとプロテインを飲み干す姿が「プロテインゴリラ」なんて呼ばれたりしますが、来季はバレンティンの穴を埋める活躍をするのではないか??と思われる逸材です。
3人目ですが、明豊高校より2018年ドラフト4位「濱田太貴」選手です。
1年目にして一軍2試合に出場、初ヒットはまだですが、ファームでは打率.254、8本塁打、11盗塁と高校出一年目とは思えない走攻守高いレベルを発揮しています。
2020年に出てくるか・・は微妙ですが、近未来の右の大砲候補として、球団からも高い期待をかけられている選手である事は間違いありません。
最後は、2018年ドラフト8位、平成最後の支配下指名としても記憶に残る「吉田大成」選手です。
二軍では101試合に出場し、打率.234、ホームラン4、10盗塁と結果を残し、1軍デビューも果たしています。
GENERATIONSの白濱亜嵐に似ていると言われるイケメンですが、顔だけでなく結果も出していて1軍出場13試合で6本のヒットを放っています。
内野であればどこでも守れるユーティリティ性を活かすため、オフには日本ハム中島選手と宮古島で合同トレーニングに励むという事ですので、まずは代走や守備固めから一軍定着を目指してほしいと思います。
2020年東京ヤクルトスワローズの躍進はあるか?
バレンティンの穴を埋めるべく、期待の若手外野手は十分なポテンシャルを持っている事が分かりましたが、とは言えバレンティンの穴を埋めるだけの活躍を一人の若手選手に背負わせるのは酷です・・
2019年の
- 山田哲人
- 村上宗隆
と三人合わせた30本トリオは解体されますが、廣岡選手に上積みが期待できそうですし、青木宣親選手、雄平選手も健在ですので、ある程度の攻撃力は期待出来るでしょう。
一方で、抑えの石山投手の不調からマクガフ選手が抑えの代役を務めていますが、正直盤石とは言えないため、リリーフの立て直しは急務です。
また、先発投手も2019年チーム最多勝が来季40歳を迎える石川雅規選手とあって、大変心許ない状況ですので・・
投手陣の抜本的な見直しが必要ですので、来季優勝に絡めるか?と言えば、筆者としては「厳しい」と判断しますが、将来的に奥川投手など才能豊かな若手投手陣が築き上げられれば、優勝争いをするチームになると思われます。
是非とも、一人でも多くの若手選手が出てきますように、ヤクルトの健闘を願っています。
これで、セ・リーグ6球団の2020年に向けての期待の若手選手の分析を終わりますが、来季のキャンプやオープン戦で良い選手を見かければ、随時更新したいと思います。
また、「この選手良いよ」というような情報があれば、コメントやTwitterもしていますので、ご連絡いただければ、とても嬉しいです。
今後は、巨人情報やプロ野球の最新情報、そしてパ・リーグの期待の若手選手の分析も行っていきたいと思いますので、ご期待下さいませ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
セ・リーグ他球団の分析です。