北海道日本ハムから巨人へ移籍して3年目の陽岱鋼選手。
母国台湾でも大人気の選手ですが、巨人にきてからの3年はファンと共に歯がゆい思いで見ていたのでは無いでしょうか。
今回は「陽岱鋼の現在地、2020年レギュラー獲りに必要な事」について、考察してみたいと思います。
2019年の陽岱鋼
原監督にかわり、春季キャンプでは陽岱鋼が絶賛され開幕スタメンだけでなく、オープン戦での結果も良かった事もありクリーンナップの一角を任される事に。
しかし、スタメン定着とならず、徐々に守備固めと代打の切り札的な立ち位置で、チームに貢献する事になりました。
外野には、センターは丸佳浩選手、ライトには亀井善行選手がいたため、なかなかスタメン出場が叶わず、少ないスタメン機会で十分なアピールは出来ませんでしたが、原監督は潜在能力を認める選手の一人であり、2020年日本一奪回に欠かせない選手だと思います。
2020年は亀井選手も38歳となり、阿部選手の引退に伴い、左の代打が手薄になる事もあって、陽岱鋼選手がスタメンに起用される可能性は高くなります。
一方で、若手に目を向けると俊足巧打の重信選手の成長、二軍でも育成契約から支配下登録された山下航汰選手、松原選手と首脳陣が期待している選手も出てきており、レギュラー安泰という事もありません。
2019年までの陽岱鋼選手の成績と年俸
ここで、陽岱鋼選手の入団後の成績と年俸を紹介します。
年度 | 所属球団 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS | 年俸 |
2007 | 北海道日本ハム | 55 | 26 | 0 | 10 | 3 | 2 | 30 | .239 | 0.349 | 0.259 | 0.608 | 1000万 |
2008 | 北海道日本ハム | 44 | 16 | 2 | 4 | 1 | 6 | 31 | .144 | 0.216 | 0.193 | 0.409 | 1250万 |
2009 | 北海道日本ハム | 15 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | .182 | 0.182 | 0.25 | 0.432 | 1200万 |
2010 | 北海道日本ハム | 109 | 62 | 2 | 31 | 8 | 12 | 70 | .245 | 0.34 | 0.288 | 0.628 | 1100万 |
2011 | 北海道日本ハム | 141 | 147 | 6 | 36 | 19 | 22 | 134 | .274 | 0.365 | 0.308 | 0.673 | 2100万 |
2012 | 北海道日本ハム | 144 | 153 | 7 | 55 | 17 | 37 | 123 | .287 | 0.398 | 0.337 | 0.735 | 4600万 |
2013 | 北海道日本ハム | 144 | 162 | 18 | 67 | 47 | 69 | 142 | .282 | 0.43 | 0.367 | 0.797 | 9200万 |
2014 | 北海道日本ハム | 125 | 138 | 25 | 85 | 20 | 45 | 108 | .293 | 0.495 | 0.367 | 0.862 | 1億8000万 |
2015 | 北海道日本ハム | 86 | 91 | 7 | 36 | 14 | 21 | 93 | .259 | 0.358 | 0.306 | 0.664 | 1億8000万 |
2016 | 北海道日本ハム | 130 | 145 | 14 | 61 | 5 | 42 | 121 | .293 | 0.43 | 0.359 | 0.789 | 1億6000万 |
2017 | 読 売 | 87 | 87 | 9 | 33 | 4 | 41 | 80 | .264 | 0.406 | 0.356 | 0.762 | 3億 |
2018 | 読 売 | 87 | 62 | 10 | 37 | 2 | 17 | 72 | .245 | 0.427 | 0.297 | 0.724 | 3億 |
2019 | 読 売 | 110 | 57 | 4 | 21 | 0 | 22 | 66 | .274 | 0.38 | 0.346 | 0.726 | 3億 |
日本ハム4年目から出場機会を増やし、年俸も順調にアップ、ハイライトは2013年の盗塁47個をマークした年、ホームラン18本と20本目前で走攻守ハイレベルな選手として、日本ハム外野陣の一角を担っています。
2016年から巨人へFA移籍、5年総額15億とも言われる契約のため、2021年までは3億円が毎年入ってきますが、正直巨人移籍後の成績は3億円プレーヤーと呼ぶには物足りない・・・
特に、巨人移籍後の盗塁数を見ると、どんどん減っていて、今年に限ってはゼロ・・・なんとも寂しい数字です。
それでも、2019年は移籍後最多の出場数という事で、途中出場でそのユーティリティ性を認められたところはありますが、腰の怪我もあり二軍降格・・・
繰り返しになりますが3億円でユーティリティを求めるのは・・
コスパ的には割が合わないので、陽岱鋼選手にはもう少し奮起してほしいと願うばかりです・・
陽岱鋼選手のいとこ張奕選手は支配下登録へ
余談ですが、陽岱鋼選手のいとこで、オリックスバファローズに打者として育成ドラフトから入団した「張奕」選手。
打者では0.91と奮わなかったのですが、2018年に投手へ転向し最速151キロのストレートを武器に2019年5月に支配下登録され、一軍に抜擢。
8試合登板で2勝4敗、防御率5.93と結果を出した事でも話題になりましたが、育成ドラフトで打者ではなく投手として支配下登録されるあたりに、非凡な才能を感じますね!
陽岱鋼選手の2020年に向けての課題
2020年には33歳を迎える陽岱鋼選手、スピード感溢れる若手と同じ土台で勝負するのは難しいと思いますので、守備と勝負強い打撃で勝負したいところです。
特に守備に関しては、ゴールデングローブ賞4度受賞、通算守備率.933と高い数字を残せるため、十分にスタメン出場は可能でしょう。
一方で打撃は意外性のある一発や長打力は魅力ですが、大味なところもありますので、
「.280、得点圏打率.300以上」
程度は、数字としては欲しいところです。
得点圏打率アップに向けて
得点圏打率を挙げるためには「好球必打」で、少ないチャンスをモノにしていく必要があります。
しかし、陽岱鋼選手のキャリアハイの2013年の数字を見ても、
「四球は少なく、三振は異常に多い」
となっています。
要するに
「かなり積極的に振っていくバッター」
という事が数字上でも分かります。
得点圏打率をアップさせるためには、積極性が持ち味になる事もあると思うのですが、じっくりと攻められる打順の方が良いでしょう。
そのため高橋監督の時に感じたのですが、一番バッターが陽岱鋼選手だと、攻撃が淡白に見えてしまい、相手からしたらやりやすいのでは?と思うのです。
しかし、.250でも得点圏打率が.300程度あれば、「勝負強い」という印象があり、6番バッターにいるのは非情に嫌だと思いますので・・
これくらいの数字を出せるのであれば、6、7番あたりでクリーンナップの残したランナーを還して、得点力アップに繋がる可能性があります。
目指すは、「恐怖の6番バッター」のイメージでどうでしょうか?
繰り返しになって申し訳ないですが・・・
コスパを考えると、これくらいやってくれて当然なんですよね・・あと2年あるのでキャリアハイを狙うくらいの活躍を見せて、FA移籍が正しかった事を証明してほしいと願っています。
陽岱鋼選手のライバルになる逸材は?