毎年ストーブリーグがはじまると、FA宣言の選手補強が話題となる巨人。
昨年は、チームの功労者である内海哲也投手、長野久義選手が西武ライオンズと広島東洋カープに移籍するという事で、ファンにも動揺が走りましたがFA補強は確実に弱点を補っていく、チームを強くするためには欠かせない戦略です。
2019年、巨人はセ・リーグ優勝を4年ぶりに果たしましたが、日本シリーズではソフトバンクに圧倒的な力の差を見せつけられてしまい、4連敗で終了・・
という結果に終わっています。
坂丸コンビが生まれ、4番に岡本和真選手、若手も大城選手、田中選手、若林選手と台頭してきてはいますが、一方で阿部慎之助選手の引退、亀井選手、坂本勇人選手のバックアップは必要なため、今年もFA補強を行う事は間違いななさそうです。
FA補強すべきポジションは??
上記の記事でも触れているように、今年のFA選手は、巨人の補強ポイントにマッチする選手が複数名名前が上がっています。
- 千葉ロッテマリーンズ 鈴木大地
- 楽天イーグルス 美馬学
- 福岡ソフトバンクホークス 福田秀平
- 千葉ロッテマリーンズ 益田直也
最後の益田選手以外は、個人的に補強ポイントに合致すると思っていて、益田選手の名前はあえて出してこなかったのですが・・・
ニュースを見ていると、阪神タイガースや巨人が益田選手の動向を気にしているとの情報も出ていますので、ここで挙げさせていただこうと思います。
しかし、1年にFA補強が出来るのは最大で2名(Cランクの選手は人数に含まれない)のため、巨人としては美馬投手と鈴木選手を獲得するならば、益田選手の獲得は無理。
という事になります。
※2019年10月30日 追記
益田選手の残留が決まりましたので、FA移籍はありません!
ちなみに、西武ライオンズの十亀剣投手のFA残留も決定しましたので、今のところあり得るのは美馬投手、鈴木投手、そして海外FA権を行使している秋山選手となります。
そのため、最大で巨人からは2名のプロテクト外の選手が移籍する可能性がある・・という事になりますので、ここでは2019年支配下登録選手(退団、自由契約除く)で、プロテクト漏れする可能性がある選手を予想したいと思います。
FAの仕組みとプロテクトリストの作り方
プロテクト漏れ選手の予想を始める前に、まずはFAの仕組みとプロテクトリストについて説明をしておきたいと思います。
FA(フリーエージェント)宣言とは
FAとはフリーエージェントの略で、いずれの球団とも選手契約を締結できる権利をもつ選手が権利の行使が可能です。
FA権には
- 国内FA
- 海外FA
とそれぞれありますが、国内FA権を取得するには原則として「8シーズン」、海外FA権を取得するには「9シーズン」の出場選手登録日数が必要となります。
海外FAを取得すると、大リーグへの挑戦も可能になりますので、高卒選手の場合だと早くて28歳には大リーグ挑戦も可能になってきます。
FA選手は、Aランク、Bランク、Cランクと3つのランクに分けられて
人的補償なしの場合
Aランク | 旧年俸の80%の金銭 (2度目以降のFA移籍なら40%の金銭) |
Bランク | 旧年俸の60%の金銭 (2度目以降のFA移籍なら30%の金銭) |
Cランク | なし |
人的補償ありの場合
Aランク | プロテクト外の選手1名+旧年俸の50%の金銭(2度目以降のFA移籍ならプロテクト外の選手1名+旧年俸の25%の金銭) |
Bランク | プロテクト外の選手1名+旧年俸の40%の金銭(2度目以降のFA移籍ならプロテクト外の選手1名+旧年俸の20%の金銭) |
Cランク | なし |
と、それぞれランクに応じた補償が代わってきます。
この「人的補償」を求めるために、プロテクトリストと呼ばれる球団からプロテクト(保護)を受けられる選手を一覧でリストにし、リストから外れた選手を人的補償で得る事が出来ます。
プロテクトリストの作り方
支配下登録選手のうち28選手を球団が決めプロテクトリストを作成します。
ちなみに前年度のドラフト選手と外国人選手はプロテクト対象外となります。
そのため、現在の巨人の支配下登録を確認する必要がありますが、
投手 27名
山口俊、髙橋優貴、澤村拓一、大竹寛、菅野智之、岩隈久志、野上亮磨、田口麗斗、鍬原拓也、宮國椋丞、畠世周、桜井俊貴、田原誠次、中川皓太、今村信貴、池田駿、戸根千明、髙田萌生、直江大輔、高木京介、横川凱、大江竜聖、戸郷翔征、鍵谷陽平、藤岡貴裕、古川侑利、堀岡隼人
捕手 5名
小林誠司、大城卓三、炭谷銀仁朗、岸田行倫、 田中貴也
内野手 13名
坂本勇人、岡本和真、吉川尚輝、田中俊太、山本泰寛、中島宏之、北村拓己、若林晃弘、吉川大幾、湯浅大、増田陸、松井義弥、増田大輝
外野手 10名
丸佳浩、亀井善行、陽岱鋼、重信慎之介、松原聖弥、石川慎吾、立岡宗一郎、村上海斗、加藤脩平、山下航汰
この中からプロテクトリストを作っていく事になりますが、投手はちょっと多いのと、悩ましいところがありますので、投手以外のポジションから先に作っていき、残りで投手プロテクトをしていきたいと思います。
2020年巨人のプロテクト漏れ選手予想
まずは、捕手編からですが、
プロテクト選手 4名
小林誠司、大城卓三、炭谷銀仁朗、(岸田行倫)
プロテクト外 1名
田中貴也
もしくは、投手との兼ね合いで岸田選手もありえるかも??あとで整理しましょう。
続いて内野手ですが
プロテクト選手 9名
坂本勇人、岡本和真、吉川尚輝、田中俊太、(山本泰寛)、北村拓己、若林晃弘、増田陸、増田大輝
プロテクト外 4名
中島宏之、吉川大幾、湯浅大、松井義弥
山本選手は日本シリーズのミスもあり、フェニックスリーグでもミスをシていますし、吉川選手、田中選手に比べてると魅力が無いのが、個人的な印象なので、プロテクト外でも良いかも??
続いて外野手ですが、
プロテクト選手 5名
丸佳浩、亀井善行、重信慎之介、(松原聖弥)、山下航汰
プロテクト外選手 5名
(陽岱鋼)、石川慎吾、立岡宗一郎、村上海斗、加藤脩平
松原選手は次世代巨人に必要な走攻守を備えた選手なので、是非ともプロテクトしてほしいと願いますが、重信選手と役割が被るので評価は割れそうです・・
陽岱鋼選手は、移籍したほうが良いと思います・・他のチームならまだまだ力を発揮できるとは思いますので。
上記の希望的プロテクトでいくと、選手は18名・・・投手が10名しかプロテクト出来ないなんて事になるので、まずこのプロテクトでは無理でしょう・・・
という事で、岸田選手、山本選手、松原選手はプロテクトから外す可能性ありとしましょう。
それでは投手のプロテクト予想に入りましょう。
まずプロテクトからですが、
プロテクト選手 13名
山口俊、髙橋優貴、菅野智之、田口麗斗、(桜井俊貴)、中川皓太、高木京介、戸郷翔征、古川侑利、堀岡隼人、(戸根千明)、(髙田萌生)、澤村拓一
プロテクト外選手 14名
(今村信貴)、大竹寛、岩隈久志、野上亮磨、鍬原拓也、宮國椋丞、畠世周、田原誠次、池田駿、直江大輔、横川凱、大江竜聖、鍵谷陽平、藤岡貴裕
正直28名の枠しかないって、本当に辛いです・・
年齢も考慮して、今年大活躍した大竹寛、鍵谷陽平両選手ですらプロテクト外になりそうですし、期待の左腕今村信貴、横川凱、大江竜聖の三選手も流出危機です・・
さらに、元ドラ1の鍬原選手や潜在能力ピカイチの畠世周選手など、他球団に移籍すればエース級の活躍をする可能性がある選手もプロテクト外に含まれます・・・
巨人プロテクト外予想 まとめ
上記のプロテクト予想から
投手13名、野手14名と考えた場合に、主な流出選手として
1 大竹寛 流出可能性C 年齢を考慮しても他球団移籍は無いか??
2 鍵谷陽平 流出可能性B 日本ハムからトレード移籍、貴重な中継ぎピッチャーも若手をプロテクトするにはプロテクトから外れる可能性あり?
3 今村信貴 流出可能性B 左腕で期待されてはいるが、一皮向けずに伸び悩んでいる可能性あり?他球団移籍で才能が開花する可能性も秘めている。
4 髙田萌生 流出可能性B プロテクト外になればエース候補になるうる素材であるので、獲られるリスクは高いと思われる。
5 戸根千明 流出可能性C 今年絶好調の中継ぎ左腕も終盤は怪我になかされ、オフには手術も経験。身体が万全であれば十分活躍するが、怪我明けというところで敬遠する可能性もあり。
筆者としては、投手は上記5名が移籍候補になりそうな予感です、その他にも一軍経験の豊富な田原投手、池田投手もいますので、このあたりも狙われる可能性もあるのでは無いでしょうか。
続いて、野手ですが、
1 捕手 岸田行倫 二軍で経験を積み、素晴らしい成長を見せていますが、同じくドラフト3位で入団した大城選手はじめ、炭谷選手、小林選手のいる捕手陣容では出場が難しい??
2 内野手 山本泰寛 堅実な守備と右打ちが得意な内野のバックアッパーで原監督好みではありますが、日本シリーズで二度のエラーやフェニックスリーグでもエラーをしており、大事なところでのミスが目立つので、個人的には印象が悪いためプロテクト外も、他球団ではレギュラー取りもあり得るクラスの選手です。
3 外野手 陽岱鋼 FA選手で巨人に移籍後は怪我も多く大きな成績を残していないため、ファンの心証は良くないでしょう・・しかし走攻守ともに高いレベルの位置にある選手なので、他球団移籍で十分活躍の目はあると見ています。
4 外野手 松原聖弥 日米野球で大活躍し、今年は注目していたのですがキャンプでアピールできず、二軍暮らし。増田選手が台頭し足のスペシャリスト枠は難しいが、走攻守ともに高いレベル、バットコントロールも巧みなので、是非とも残って欲しいと思う逸材。
野手ではこの4名がプロテクト当落線上かなと思われますが、このプロテクトと関係してきそうなのが、若手投手2人の存在です。
他球団からしたらピッチャーは不要だ・・と思えば、思い切って外すのもありかもしれませんが、
- 楽天イーグルスから移籍の古川侑利
- 育成選手から支配下登録の堀岡隼人
この二人は、ぜひともプロテクトして欲しいと思う逸材です。
この二人を外しての大竹、鍵谷のプロテクト・・なんて事はせずに、どちらも痛いのは分かりますが、未来を背負うであろうヤングジャイアンツのプロテクトは厚くやってほしなぁと思います。
今回、この記事を書いて思ったのが、本当に悩ましいプロテクトリストの作成・・
もう少し枠広がらないかな・・と思うくらい、絶妙な人数過ぎて、球団の方が悩むのも理解が出来ます。
是非とも、プロテクト枠を有効に使い、FA補強と同時に将来あるジャイアンツの卵をプロテクトしてほしいと願っております。
巨人に関する情報まとめ