2017年、2018年と中継ぎで実績をあげてきた池田駿投手。
今季1軍との登板はわずか2試合と、大きく成績を落とす結果になりましたが、まだ27歳と若く、これからが期待できる選手です。
2020年は先発、中継ぎ問わず、チームの役割を担えるように準備するとは言っていますが、結果が残せない場合は、来季オフにFA移籍の人的補償のリストとなる可能性もありますので、なんとしても結果を優先したいところです。
今回、池田駿投手の二軍成績やデータを確認しながら、課題や期待するところをまとめていきます。
池田駿選手のプロフィール
最初に池田選手のプロフィールからですが、
出身 | 新潟明訓高→専修大→ヤマハ |
身長 | 174センチ |
体重 | 78キロ |
高校時代は2年生からエースとしてチームを引っ張り、3年生では甲子園に出場、チームをベスト8に導く原動力に。
甲子園通算3試合、18回5奪三振、防御率0.50と結果を残した事で、日米親善高校野球大会にも出場しています。
専修大学へ進学後に2年生の時に肘を故障し手術していますが冬には復帰。しかし、3年生、4年生では目立った結果を残せなかったためスカウトの目には止まらず社会人野球のヤマハへ入社。
ヤマハ一年目はリリーフ起用されるも結果を残せず、二年目から先発へ転向すると、都市対抗野球大会で好投し初優勝に貢献、大会MVPを獲った事で巨人のスカウトから評価され、2016年ドラフト4位で指名を受け入団しています。
当時のスカウト評では、
「投球術ができている。即戦力として期待しています。使い勝手のいい投手だと思っている。非常に楽しみですね」
とある通り、社会人野球で活躍した実績から、即戦力として期待されているので、結果を残せない場合は戦力外通告を受けるのも早いので、来季は勝負の年となりそうですね。
池田駿投手の主な投手成績
ここからは、池田選手の事をもう少し深堀りしていきたいのですが、主な投手成績ですが
登板 | 勝利 | 敗北 | セーブ | HP | 勝率 | 投球回 | 本塁打 | 被本塁打率 | 四球 | 与四球率 | 三振 | 奪三振率 | 防御率 | |
2017 | 33 | 0 | 2 | 0 | 4 | .000 | 37.2 | 2 | 0.05 | 15 | 0.40 | 33 | 0.89 | 3.35 |
2018 | 27 | 1 | 1 | 0 | 2 | .500 | 24.1 | 1 | 0.04 | 9 | 0.37 | 11 | 0.46 | 4.07 |
2019 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | 1 | 1 | 1.00 | 1 | 1.00 | 1 | 1.00 | 18.00 |
1年目に中継ぎで33試合に登板し、防御率3.35とまずまずの結果を残し、与四球率と奪三振率も上々でしたので、試合を立て直せるリリーバーの役割が出来ていました。
二年目に入ると、やや奪三振率が落ち、防御率も4.07と前年度よりも悪化しているのが気になりますが、2019年には2試合の登板のみ。
特に阪神タイガース相手の同点12回1死1、2塁から木浪選手へ四球、高山選手へサヨナラ満塁ホームランを打たれた試合は、首脳陣の印象を悪くしており、この試合を機に2軍落ちしています。
理由は明白で、木浪、高山両選手とも左打者というところで、左封じを期待されて出されているにも関わらず、四球後の満塁ホームラン・・
池田投手のような社会人出身の左腕で2年間プロでも経験を積んできた投手だからこそ、厳しい場面を抑えて欲しいと期待されたはずなので、今後はこのような場面で同じ過ちを犯してほしくないですね。
池田駿投手のK/BBはやや低め
投手の制球力を見ることができるK/BBですが、2017年、2018年は1軍成績を、2019年は2軍成績を基に計算してみたところ、
K/BB | |
2017 | 2.20 |
2018 | 1.22 |
2019 | 2.05 |
平均3.50と言われる中で、やや物足りない印象。
2019年は先発と中継ぎ、両方で調整しているので、なかなか難しかったかもしれませんが、四球を減らしていく事が課題の一つになりそうです。
池田駿投手のセイバーメトリクスからデータを抽出
制球力が今ひとつとは言っても、セイバーメトリクスを確認すると、
被打率 | 被出塁率 | 被長打率 | 被OPS | FIP | RSAA | WHIP | |
2018年 | .330 | .396 | .415 | .811 | 3.98 | -2.85 | 1.64 |
2017年 | .228 | .307 | .294 | .601 | 3.33 | 2.9 | 1.22 |
2017年はRSAAを見ても、平均投手以上に結果を収めており、特に長打率が.300以下だったところが、首脳陣からも信用を得やすかったのではないか??と思われます。
一方で、2018年はWHIPが1.64と高く、さらにOPSも.811と前年よりも.200以上上がっているため、ランナーを出し、長打をくらって失点・・というパターンがあったのでは?と推定されます。
池田駿投手の得点圏と左右の被打率データ
さらに得点圏での被打率や左右別のデータを調べてみたのですが、
2017 | 打率 | 四球 | 三振 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
通算 | .375 | 9 | 9 | .500 | .563 | 1.063 |
ビハインド時 | .421 | 6 | 4 | .538 | .737 | 1.275 |
同点時 | .333 | 2 | 3 | .500 | .333 | .833 |
リード時 | .286 | 1 | 2 | .375 | .286 | .661 |
2017年のデータを見ても、意外だったのですが、得点圏打率は通常の被打率よりも高め・・、OPSも高めです。
特にビハインドの時に得点圏での四球が多いのは、チームとしても士気が下がり、追い上げる力がなくなりそうですね。
2018 | 打率 | 四球 | 三振 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
通算 | .393 | 2 | 3 | .455 | .607 | 1.062 |
ビハインド時 | .429 | 1 | 2 | .458 | .571 | 1.03 |
同点時 | .250 | 0 | 0 | .250 | .500 | .750 |
リード時 | .333 | 1 | 1 | .600 | 1.000 | 1.60 |
次に2018年のデータですが、相変わらずビハインドでの得点圏での被打率が高く、またリードしている展開でもピンチに弱いところを見せています。
同展示の流れを止める役割は出来ていそうですが、2年間を振り返ってみても、得点圏でのピンチに強いピッチャーにならなければ、リリーフで信用を得る事は難しいと言えそうです。
池田駿投手の投球割合と球種
続いて、池田駿投手の投球割合と球種ですが、2018年のデータになりますが、
球種 | 投球割合 | 被打率 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 |
ストレート | 36.36% | .324 | 4 | 2 | 2.03% | 12.84% |
カットボール | 39.31% | .313 | 4 | 3 | 11.25% | 21.25% |
チェンジアップ | 21.62% | .318 | 0 | 6 | 18.18% | 10.23% |
スライダー | 2.46% | .667 | 0 | 0 | 10.00% | 10.00% |
ストレートの割合が36%程度と割合が少ないのが特徴で、プロ入り後に習得した小さく曲がるカットボールの割合がスライダーと変わってストレート以上の割合で占めています。
ストレートの割合が少ない理由ですが、2017年のデータになりますが、ストレートのストライク率が45.9%、カットボールが70.4%とストレートでストライクが取れずに苦労し、カットボールを多投する事になったので、この割合になったものと思われます。
投球の基本となるストレートでストライク先行が出来ないため、変化球でかわす投球になっていますが、当初は通用していた事が、二年目、三年目と通用しなくなってきています。
このデータからもストレートの球威と制球を上げる必要があるのは明白だと思われるのですが、池田選手自身も、その点は感じているようで、契約更改の場で
肩の可動域を広げるトレーニングなど毎日できることを積み重ねた。その結果、状態が確実にアップし、直球のキレ、制球力ともに手応えを感じている。
とコメントしていますので、来季に向けて準備は順調に進んでいるようですね。
池田駿投手の年俸と背番号の推移
続いて、池田投手の年俸と背番号の推移ですが、
年 | 年俸(推定) | 背番号 |
2020年 | 1450万円 | 68 |
2019年 | 1700万円 | 48 |
2018年 | 2000万円 | 48 |
2017年 | 1000万円 | 48 |
2017年の好成績があって年俸も200%アップしていますが、ここ2年は年俸がダウンしており、背番号も68へ変更になりました。
いよいよ来年は背水の覚悟で、結果が求められるシーズンになります。
特に来年のオフには山田哲人選手がFA宣言する可能性があるため、その時には人的補償としてプロテクトリスト外になる可能性があります。
→ 山田哲人選手は国内FAで巨人移籍?ポスティングでメジャー?2020年オフは争奪戦も?
池田駿投手2020年に期待したいところ
2020年、池田投手にとって勝負の年になり、課題もストレートの球威と制球と明白ですが、すでに課題克服に向けて着手済みで、順調のようです。
もともと、カットボールのキレと制球には定評があるので、より活かすためにストレートの質を向上させてほしいと願っています。
今季は、田口麗斗、中川皓太、戸根千明選手が中継ぎで活躍しましたが、来季は田口選手が先発へ、戸根選手は手術明けのため、中継ぎ左腕の台頭は必要になります。
先発投手には、今村信貴、高橋優貴選手が優先されるので、池田投手は相当アピールしなければ、先発でもリリーフでも一軍枠を勝ち取るのは難しいので、オフからしっかりと自主トレに励んで、春季キャンプに臨んでほしいと願っています。
ライバル左腕がたくさんいます!