圧倒的な打力で打ち勝つ野球で、パ・リーグ2連覇を達成した西武ライオンズ。
森友哉選手がパ・リーグMVPの受賞、山川 穂高、中村 剛也、源田 壮亮、秋山 翔吾と5名のベストナインが揃う西武黄金時代の幕開けも思わせる一方・・
中村選手の高齢化、秋山翔吾選手の海外FA移籍の可能性、二桁勝利投手が2人、防御率4.35と投手陣の立て直しが必要と課題も山積みです。
今回、チームが新しく変わっていく可能性がある西武ライオンズにおいて、期待の若手選手を過去の成績やデータから紹介してきたいと思います。
メモ
<注意書き>
その1 筆者の独断と偏見、ニュースの情報などを加味しての選出ですが、各球団の戦力分析も兼ねて、筆者の知識を増やしたいと思っています。そのため、是非とも読者様の中で「この選手も良いよ」という方がいらっしゃれば、分析の上で追記していきたいと思いますので、コメントなどいただければ幸いです。
その2 プチブレイクした選手も中には含まれています。タイトルホルダーや二桁勝利、打率.250以上、ホームラン二桁、盗塁二桁経験者は除外とします。
西武ライオンズ 期待の若手2020投手編
それでは早速投手から紹介したいのですが、その前に2019年のドラフト会議で獲得した投手から紹介しますと、
選手名 | 出身校 | |
1位 | 宮川 哲 |
東芝 |
2位 | 浜屋 将太 | 三菱日立パワーシステムズ |
3位 | 松岡 洸希 | 埼玉武蔵ヒートベアーズ |
6位 | 井上 広輝 | 日本大学第三高校 |
7位 | 上間 永遠 | 徳島インディゴソックス |
育成ドラフト1位 | 出井 敏博 | 神奈川大学 |
今年、二桁勝利の先発投手が2人という結果を見ても分かるとおり、上位指名は「即戦力」を意識して、社会人と独立リーグの選手が占めています。
1位の宮川投手は社会人ナンバーワン右腕、巨人との重複の末に抽選で交渉権獲得していますが、高校生ナンバーワン投手とも言われる佐々木朗希投手を外しての指名なので、投手を多く指名する事は事前から決めていたように思います。
ただ、佐々木選手が獲れないのは残念だったかもしれませんが、今の西武の状況を考えれば、宮川投手を獲れた方が良かった可能性が高いと、筆者は見ています。
宮川投手は、パワーピッチャーでストレートは最速154キロ出ますので、リリーフの適性もある可能性がありますので、西武投手陣に欠かせないピースになるかも知れません。
2位の浜屋 将太選手ですが、「先発なら2桁、中継ぎなら50試合登板が目標」とコメントする通り、先発でも中継ぎでも出来るサウスポー。
ストレートは140キロ前半のため、技巧派左腕という地位で、西武の中継ぎ陣には食い込みたいところです。
3位の松岡 洸希選手ですが、筆者の中では3人の中で一番評価している投手です。
高校卒業後、独立リーグに入ると投手へ転向、投手歴1年未満でドラフト指名された逸材という点が、個人的に楽しみな一つですが、それよりも元ヤクルトで活躍した守護神イム・チャンヨン(林昌勇)投手を彷彿させるフォーム。
まだまだ未完成なので、伸びしろを考えると1年目に戦力となれるか?は未知数ですが、面白い逸材である事は間違いありません。
6位の井上投手は、甲子園でも活躍し2年の時点で最速150キロをマークするなどドラフト1位候補に挙がる事もありましたが、6位指名。この指名から見てもファームで鍛えてからというところでしょうか。
7位の上間 永遠投手は、スカウト評では
「140キロ後半の直球に変化球もよく、コントロールもいい。レベルに慣れればローテーションで投げるポテンシャルは十分です。楽天の岸のようなタイプ」
との事ですが、覚醒なるか?注目です。
2020年 プチブレイク候補投手編
ここまでドラフト指名選手の紹介でしたが、支配下登録の投手で、2020年ブレイクが期待される選手をここから紹介していきます。
まず、一人目ですが、2017年ドラフト1位左腕齊藤大将投手です。
西武の左腕先発は希少で、枚数が足りていませんので、齊藤選手にかかる期待は大きいのですが、この2年は結果を出す事が出来ていません。
大学時代は奪三振率が高く、キレの良いスライダーがウリだったのですが、1軍では2018年奪三振率5.25、2019年奪三振率5.00と寂しい数字。
ファームでも奪三振率7.31とそこまで高くないので、決め球に苦しんでいるのか?結果が出ない事で苦しい時期でしょうが、来年は殻を破って欲しい投手の一人です。
二人目ですが、2012年ドラフト2位の相内誠投手です。
毎年期待されるピッチャーですが、ファームでは結果が出ていますが、一軍で勝てないところから、そろそろ結果を出して欲しいところです。
三人目ですが、2018年ドラフト2位の渡辺勇太朗投手です。
ファームでは2試合のみしか投げていませんが、高卒一年目という事で体作り?まさかの怪我??と真意は分かりませんが、来季はファームのローテーションをしっかり勝ち取り、一軍デビューを目指して欲しい逸材です。
甲子園で観たストレートは、本当に迫力あるキレイなまっすぐでしたので・・是非とも頑張って欲しいと思います。
ちなみにこのオフは、内海哲也選手と自主トレを共にするとの事ですので、飛躍を期待したいですね。
4人目ですが、2017年ドラフト3位入団の伊藤翔投手です。
2018年に16試合に出場し、中継ぎで3勝をあげていますが、ファームでは先発として調整していたようで、調整が難しかったところはあると思います。
2019年はファームで13試合3勝7敗と結果を出す事が出来ませんでしたが、まだまだ若いですし最速152キロのストレートは武器ですので、ウィンターリーグで成長してほしいと願ってます。
西武ライオンズ 期待の若手2020野手編
次に野手を紹介していきますが、まずはドラフト獲得選手から紹介していきたいと思います。
選手名 | 出身校 | |
4位 | 川野 涼多 | 九州学院高校 内野手 |
5位 | 柘植 世那 | Honda鈴鹿 捕手 |
8位 | 岸 潤一郎 | 徳島インディゴソックス 内野手、外野手 |
5位の柘植 世那選手は、社会人捕手ナンバーワンの評価ですが、今年は森選手以下の捕手が怪我をしたりと捕手難になり、バックアップが大変だった事もあり、捕手を獲得ですが、森選手がレギュラーという事を考えると、バックアップ要因となるでしょう。
注目は8位の指名ですが、内外野守れるユーティリティ性と独立リーグ最多盗塁の記録を持つ岸 潤一郎選手です。
西武と言えば、伝統的に「機動力」を使う野球で、今年も源田選手、金子選手、外崎選手と二桁盗塁の選手がレギュラーで活躍しています。
岸選手の守備力が標準以上であれば、俊足を活かした代走要因として活躍の場を与えられる可能性があります。
ソフトバンクホークスでブレイクした周東佑京選手のようになれるか、注目したいと思います。
→ 【神走塁】周東佑京50メートル5秒7の俊足!巨人にも逸材は揃っている?
期待の若手2020投手編
ドラフト選手の中から即戦力もしくは来季ブレイクが期待される選手は少ないという印象ですが、支配下登録の方には期待の若手がいますので、ここから紹介してきます。
まず一人目ですが、2015年ドラフト4位の走攻守レベルの高い愛斗外野手です。
愛斗選手は、とにかく身体能力が凄い!50メートル6秒台の俊足と遠投120メートルの強肩で守備力が高いだけでなく、打ってもファームでは打率.302、ホームラン8本、OPSは.800を誇る強打がウリです。
一軍でも47試合の出場がありましたが、8安打、11三振と一軍に慣れる事が課題ですが、スケールの大きな選手に育ちそうな予感です。
次に二人目ですが、愛斗選手の後輩にあたる2017年ドラフト2位の西川愛也内野手です。
高校時代に右大胸筋断裂の大けがで一年目の2018年はファームでDH出場、2019年から守備にも就くようになっています。
一軍デビューはありませんが、ファームでは打率.242、ホームラン3本、OPS.606と今後飛躍が期待される選手です。
三人目ですが、2017年育成ドラフト1位から支配下登録された高木渉選手です。
二刀流も期待されて入団していますが、入団後は外野手に専念し、シェアなバッティングで結果を残し支配下登録。
ファームでは打率.259、ホームラン12本、OPS.755と結果も素晴らしいですが、出塁率が.302と若干低いのが課題。
三振も90個と多いので、選球眼を磨いて、来季は一軍で活躍して欲しいですが、ホームランというよりは中距離バッターとして活躍を期待します。
最後に四人目ですが、2018年ドラフト3位三菱自動車岡崎から入団した山野辺翔選手。
社会人出身のため、25歳と若くはないですが、ファームでは持ち前の打撃だけでなく、盗塁も二桁と走攻守で活躍しています。
浅村栄斗選手のFA移籍に伴い、外崎選手が内野をしていますが、秋山翔吾選手がFA移籍すれば、外野に戻ると言われていますので、山野辺選手にとってはチャンスです。
ファームで発揮した打率.271、ホームラン12本、盗塁29、OPS.812、走攻守のポテンシャルが一軍でも出せれば、新しいヒーローの誕生の予感がします。
2020年の西武ライオンズはどうなる?
2019年は、前年度の最多勝投手多和田真三郎が不調、期待された人的補償で西武入りした内海哲也投手、高木勇人投手、阪神より移籍の榎田大樹投手が活躍できませんでした。
そのため、ドラフト1位の松本航、かつてのドラ1髙橋光成、今井達也投手がローテーションを守り、それなりに台頭してきた事や、残留決定のヒール投手がいた事、増田投手が抑えでの復活があった事で、パ・リーグを制覇できました。
しかし、秋山翔吾選手が抜け、マーティン投手の解雇、メヒア選手の残留も不明瞭(力もおちてきているので残留しても期待は薄い)・・
そして、冒頭でも書いた通り、中村剛也選手、栗山巧選手の高齢化と次世代のスター選手の台頭がまたれます。
また、前半戦は絶好調でホームランを量産した山川穂高選手も、タイミングが合わなくなった途端に、成績が急降下、打順も4番を外れる事になり、不安な側面も残します。
それでも、源田選手、金子選手、外崎選手、森選手のレギュラーは健在、スタメンの破壊力は依然として高いものがあると思います。
三連覇を目指すには、先発投手陣の整備、特に多和田投手に次ぐ投手として、ベテランの榎田投手、内海投手あたりの左腕が出てきてほしいのが本音だと思います。
今年のソフトバンクホークスは、バレンティン獲得の噂があるほど、さらなる補強を行う事も予想されていますので、ソフトバンクホークス独走とならないように、若手の成長が望まれますので、引き続き注目したいと思います。
ライバル球団の期待の若手です