2018年3割30本100打点をマークし、覚醒した感のある岡本和真選手ですが、2020年東京オリンピック侍ジャパンの代表にも選ばれるか?注目の選手ですが・・
今年は40本120打点をクリアしてほしいですが、さらなる覚醒は期待出来るでしょうか?ここでは岡本和真選手が2018年覚醒した理由と、2020年シーズンに向けた課題を考察したいと思います。
2018年岡本和真選手が覚醒した理由
岡本選手の能力や身体の強さは誰もが認めるところで、2015年に入団してきてからも毎年期待をかけ続けられていましたが、二軍では結果は出るものの、一軍でチャンスをもらっても打てませでしたが、2017年オフの秋季キャンプでの事です。
当時の二岡打撃コーチに師事し、打撃フォームを本格的に改造することになったようです。
具体的に変えた点としては、
全体的に重心が落ちたフォームになっていますが、二岡コーチが一番注目したのが「グリップの位置を下げる」事だったそうです。
それまでの岡本選手は、ホームランを期待されている事もあり、遠くへ飛ばそうという意識が働きすぎていてグリップの位置が高くなってしまっていたので、ボールまでのスイングが遠回りする癖が付いてしまっていたそうです。
グリップの位置を低くする事で、打撃フォームがよりコンパクトになったため、今まで速球に詰まる事もあったのが、より最短距離でボールにコンタクト出来るようになったので、ボールをより長く見る事もでき、結果的に一軍級のストレートや変化球にも対応出来るようになりました。
データを調べてみると、2018年、2019年の安打数は
安打数 | 全体順位 | |
2018年 | 167本 | 3位 |
2019年 | 147本 | 8位 |
とリーグ全体でもベスト10に入る安打数を誇るほど、当たれば安打にする力を持っている選手、また打球の角度が付けばホームランも量産できるだけのパワーがある選手だったので、コンタクトするコツさえ掴めば、結果はおのずと付いてくる事が見えていたという事ですね。
岡本和真選手の打球コンタクト率
コンタクトに関するデータとしては、ストライクとボールそれぞれの見逃し率と空振り率のデータを見て分かりますが、
ボール球 見逃し率 |
ストライク球 見逃し率 |
空振り率 | スイング率 | |
2018年 | 78.34% | 33.88% | 8.47% | 66.12% |
2019年 | 74.10% | 29.78% | 12.57% | 70.22% |
2018年よりも見逃し率が減っている事からも、ストライクの反応は良くなり、スイングするようにはなっていますが、一方で空振り率が増加したので、2019年はややコンタクト率が悪くなっています。
また、ボールの見逃し率もやや落ちていますので、2年目に研究され、マークされた事で、1年目の数字よりも落としました。
2018年の数字は理想に近い数字ではありますが、より高みを目指すのであれば広島カープの鈴木誠也選手を超える選手になってほしいので、鈴木選手のデータを紹介すると、
ボール 見逃し率 |
ストライク 見逃し率 |
空振り率 | スイング率 | |
2019年 | 85.68% | 39.53% | 5.44% | 60.47% |
ボールを見逃す割合が85.68%ともはや神レベル、ストライクを見逃す確率は岡本選手よりも高いですが、圧倒的に空振り率も低く「好球必打」の姿勢がデータからも分かります。
スイングすれば、確率よくボールにコンタクト出来る、理想の選手ですし、鈴木誠也選手のような選手に岡本選手が成長してくれると、巨人の4番だけでなく球界の4番となっていくんだろうなと思います。
重心を落とした打撃フォームは松井秀喜氏のアドバイス
ここまで上半身のグリップの位置に関する変更点でしたが、実は岡本選手の大きな変更点は重心を落とした打撃フォームにもあります。
この重心を落とすフォームは、松井秀喜氏のアドバイスだったようで、軸足に重心を残すバッティングを取り入れています。
軸足重心のバッティングは、かつて坂本勇人選手も松井氏のアドバイスで取り入れ、首位打者を獲得するなどバッティングの覚醒を見せていますが、岡本和真選手にもこのアドバイスは効果てきめん。
軸足に体重を残すと、パワーは落ちるのが一般的なようですが、岡本選手の場合は元々人よりもパワーがありますので、落ちたところでスタンドインできる力があるという事で、軸足に残すフォームでより正確にコンタクトできるように、ボールを呼び込めるようになっています。
2018年岡本和真選手が覚醒した理由 その2
このように、上下のバッティングフォームを大幅に修正した事で、2018年の覚醒へと繋げていますが、実はもうひとり2017年のオフに師事した人物がいます。
その人物がおかわり君こと中村剛也選手です。
2017年オフの自主トレを中村選手と共に行い
「品のある打球を打とう」
とアドバイスを受けていますが、平均滞空時間が3.5秒しかなかった当時の打球におかわり君は「品がない」と独特の言い回しで説明しています。
分かりやすく言えば、「もっと滞空時間の長いボールを」という意味だと推察できますが、具体的なアドバイスとしては、
- 軸足に体重を残す
- 骨盤から回る
- 右手を押し込む
という3つの教えられ、意識した結果、2018年には平均滞空時間が5.3秒まで伸ばし、高く遠くへ打球を運べるようになったのです。
さらに2018年オフにもおかわり君と自主トレを共に過ごし、
- 厚く、打つ
- 脇を締めすぎない
と2つのアドバイスを受け、軽く打っても飛ばせるコツを掴みかけてはきています。
ホームランの打球方向に変化が
実際、ホームランの打球方向が、2018年と2019年では中身が変わってきていて、
レフト方向 | センター方向 | ライト方向 | |
2018年 | 21本 | 6本 | 6本 |
2019年 | 14本 | 8本 | 9本 |
センターから右方向へに5本増やしています。
さらに、2019年のクライマックスシリーズ、日本シリーズではなった4本のホームランは、
- レフト方向1本
- センター方向2本
- ライト方向1本
となっていて、右方向に大きな打球を飛ばせるようになってきていて、打球の質が明らかに変わってきている印象です。
2018年岡本和真選手が覚醒した理由 その3
そして、最後に覚醒した理由の中でもっとも大きいのは、なんと言っても高橋由伸監督の存在が欠かせないと思います。
岡本選手に対する期待は毎年変わらない中で、結果が出ない年数が長くなればなるほど、巨人はチャンスがどんどん減ってきます。
かつてのドラ1の大田泰示選手も同じで、期待が大きい分、結果が出なかった時の待遇も冷たくなり、プレッシャーも大きくなっていく・・・
のですが、高橋由伸監督は、岡本選手に対して我慢強く起用してくれたと思います。
2017年のオープン戦は、
打率 | 本塁打 | 打点 | 長打率 | 出塁率 |
.241 | 2 | 4 | .379 |
.297 |
と及第点の結果でしたが、開幕スタメンに起用し15試合で打率.194、ホームラン0本と結果が出ませんでしたが、起用し続けました。
また、2018年のオープン戦は、
打率 | 本塁打 | 打点 | 長打率 | 出塁率 |
.267 | 4 | 15 | .533 | .308 |
と結果を残した事を認め、二年連続で開幕スタメンで起用、春先の好調な時でも打順を4番にする事なく、岡本選手を楽な打順で育ててくれましたし、交流戦で4番に起用した後も31打席無安打と長いスランプに陥った時も打順を変える事なく起用し続けています。
岡本和真選手の覚醒には、2018年の経験は大きな財産となっていて、2019年に打てない時期でもそのままズルズルと成績を落とす事なく、30本100打点を二年連続でクリアする結果を残せたんだと思います。
その他にも阿部慎之助、坂本勇人、丸佳浩、村田修一・・と様々な先輩方のサポートがあって、今があるとは思いますが、その中でも岡本選手が覚醒するきっかけを得た3人を今回紹介させて頂きました。
しかし、岡本選手の能力を考えれば、まだまだノビシロはあるでしょうし、2019年オフからは鈴木誠也選手や村上宗隆選手を育てた石井琢朗コーチも入団しましたので、さらに引き出しが増えていく事でしょう。
これから岡本和真選手が、どれだけの選手になるのか?今から楽しみですが、2020年は東京オリンピックがありますので、まずは侍ジャパンに選出されて、巨人の岡本から日本の岡本と認められる活躍をしてほしいと思います。
その先にゆくゆくはメジャー挑戦・・という道を選択する可能性もありますし、生涯巨人で4番で活躍してくれるかも知れませんし・・・
どんな選択でも、岡本和真選手の成長をこれからも楽しみにし、活躍を応援していきたいと思いますでの、2020年も大暴れをしてくれる事を期待したいと思います。
岡本和真選手のデータをさらに詳しく書いてます
→ 岡本和真選手の年俸はいくらになる?守備力が向上し4番サードのニューヒーローになってほしい!
巨人のクリーンナップ候補です