昨年に続き、2019年のオフもアジアウィンターリーグに参加している大江竜聖投手。
現在、アジアウィンターリーグで快投続きで、2020年レギュラー獲りに向けての準備は着々と進んでいます。
思えば、2019年キャンプから一軍で結果を出し続け、実践29打者連続切りを果たして開幕一軍、セットアッパーを任されていた時は、「ポスト山口鉄也」誕生か?と思わせましたが・・・
開幕後に調子を落とし、ファーム暮らしが長く悔しいシーズンだったと思いますが、入団3年目で開花の兆しをみせた事は、巨人にとっては大きな朗報です!
今年は、中川皓太投手がセットアッパーとしてブルペンを支えてくれましたが、左のセットアッパーは何人いても重宝されます。
また、ウィンターリーグの結果を見ていると、先発の適正も可能性がありますので、2020年は先発もリリーフもどちらにも回れるように準備をしていきたいところです。
今回は、期待の若手大江竜聖投手の課題を、現在参加中のウィンターリーグの動画や今年の二軍成績、データなどを見ながら、考察していきたいと思います。
大江竜聖投手のプロフィールと成績
まずはじめに、大江投手のプロフィールですが、
出身校 | 二松學舎大学附属高等学校 |
身長 | 173センチ |
体重 | 82キロ |
2016年ドラフト6位で入団していますが、同年のドラフトは逸材揃いの年で
- 1位 吉川尚輝
- 2位 畠世周
- 3位 谷岡竜平
- 4位 池田駿
- 5位 高田萌生
- 7位 廖任磊(リャオ・レンレイ)
と、7位の廖任磊以外は一軍を経験(廖投手は西武から戦力外)、同年5位の高田投手と共に高いポテンシャルを期待されている大江投手ですが、2019年の1軍と2軍での主な成績はこちら。
大江竜聖投手の主な成績
年度 | 登板 | 勝利 | 敗北 | セーブ | HP | 勝率 | 投球回 | 四球 | 三振 | 防御率 |
一軍 | 8 | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 | 10.2 | 3 | 7 | 6.75 |
二軍 | 23 | 2 | 4 | 0 | .333 | 42.2 | 16 | 46 | 5.06 |
与四球率は、
- 一軍 2.53
- 二軍 3.37
奪三振率は、
- 一軍 5.09
- 二軍 9.07
一軍の実績が少ないため参考にならないところがありますが、与四球率は平均値、ただし二軍での奪三振率の高さは「三振が奪えるピッチャー」として特色がはっきり出ています。
大江竜聖投手の球種は?
大江投手の球種は少ない方で、スライダー、フォーク、チェンジアップのみで、各球種の割合やデータはこちらです。
球種 | 投球割合 | 被打率 | 空振率 | 見逃率 |
ストレート | 52.15% | .316 | 6.19% | 17.53% |
スライダー | 34.41% | .250 | 14.06% | 9.38% |
チェンジアップ | 12.37% | .400 | 17.39% | 4.35% |
フォーク | 0.54 | .000 | 0.00% | 0.00% |
一軍での登板数は8試合のみなので、データが少ないのですが、気になるのが「被本塁打が2あるのですが、全てストレート」であるという事。
被打率も3割を超えているので、最速149キロと勢いのあるボールで自信を持っているとは思うのですが、あまりに打たれすぎです・・
そこで、ゾーン別の被打率やホームラン数を調べてみたところ、
ど真ん中から内角よりのストレートをホームランにされていますので、コントロールミスが痛打されているのでよく言えば「若さが出た」、悪く言えば「慎重差が足りない」というところでしょうか。
ストレートが武器で、二軍では高い奪三振率を誇っていた可能性がありますが、一軍に上がればもう少し慎重にコース、特に高さを間違えないようにしなければ、今年の結果を教訓とする事はできないと思います。
現在のウィンターリーグの動画があったので、ご紹介したいのですが、
楽しみが増える✨ https://t.co/2gaSXDnhaf
— たーくん@巨人愛溢れる二児のパパ (@takun_baseball) 2019年11月30日
ウィンターリーグでは、6回を投げて4安打、6奪三振と上々の結果。その前はリリーフで1回をパーフェクトと好調のようです。
Twitterでは、奪三振のシーンをまとめた動画ですが、チェンジアップが抜け気味で高い!
このレベルでは三振になっているかもしれませんが、日本の一軍レベルではこのチェンジアップは通用しないと思います。
とは言え、入団三年目の20歳の青年、これから経験を積んで成長する事も多いですし、本人も秋季キャンプのコメントでは、
「『ここに投げる』って決めると腕の振りが小さくなるし、シーズンもそれで打たれてしまった。コースは高め、低めと大まかに割り切って、まずは腕をしっかり振ることを意識したい」
と「高さを意識し、腕を振る」と慎重な中にも持ち味の大胆さを消さないようにと、頑張っていますので、来春のキャンプで成長した姿を見せてくれるのを楽しみにしています。
大江竜聖投手のフォームは杉内俊哉タイプ?
大江投手ですが、フォームに特徴があり、左のスリークォーターですが、一旦肘を下に下ろして身体の後ろに隠すようなところがあります。
また、若干二段モーションで下半身にタメと間合いを作っているので、上半身と下半身でタイミングをずらそうとしている印象です。
ただ、上と下のタイミングが合わない時は、制球を乱しがちなので、好不調の波が大きいと予測されますので、投げ込みをしっかりと行って好調時のフォームを身体に染み込ましていってほしいですね。
あと、9月のイースタンリーグでの投球の動画を見ると、春先よりも意識的にダイナミックなフォームを意識している様子が見られます。
イメージとしては桜井俊貴投手のような投げた後に跳ねるような躍動感、バッターの反応を見ても立ち遅れているように見えますので、タイミングが合わないのが分かります。
先日、川口和久氏のコラムで杉内俊哉と山口鉄也のフォームの違いとマウンドの土の掘れ方が違うという事が紹介されていました。
簡単に違いを紹介すると、
杉内俊哉投手は、歩幅が7歩ほどで大きく、ゆったりとしたフォームで身体を前に持ってきて、下半身が粘るのでマウンドの土が掘れやすい。
山口鉄也投手は、歩幅が7歩ほどで腰の切り返しの速さが特徴で、軸を作って身体を切り返してきて腕を振る。
身長の高さも違うのと、投球タイプが違いますので、それぞれのフォームと歩幅には特徴が出てくるのですが・・
大江投手の場合は、杉内俊哉投手にイメージ的には近く、身長が低い分、しっかりと粘ってボールの出所を見にくくするタイプのように思えます。
投球スタイルも、スライダーとチェンジアップが中心となりますので、杉内コーチは身近なロールモデルだと思いますので、大江投手にも杉内氏のような投手に成長してほしいと願います。
大江竜聖投手の年俸と背番号の推移
年俸推定 | 背番号 | |
2020年 | 620万 | 64 |
2019年 | 560万 | 64 |
2018年 | 500万 | 64 |
2017年 | 480万 | 64 |
順調に年俸アップしてきていますが、背番号の変更は一度もありません。
首脳陣の期待はウィンターリーグ派遣からも伺えますが、本当に認められて評価されるためにも、「背番号47を勝ち取って欲しい」と思います。
工藤公康、山口鉄也と継がれてきた左のエース番号を大江投手が手にした時、おそらく年俸は今の3倍、4倍になっているはず!
- 先発であれば二桁勝利を2年続ける。
- リリーフであれば年間50試合以上投げる、勝ちパターンに入る。
事を、来季は目標にしてほしいと思います。
大江竜聖投手は先発?リリーフ?どちら向きなの?
ところで大江投手ですが、二軍では主に先発として育成されていますが、一軍ではリリーフで起用とどのように育てていくのか?が、今のところ不明瞭なところがあります。
2019年から2020年の課題として
- 山口俊投手が抜けるため、貯金11がなくなる。
- 先発として170イニング投げてくれるエースが不在となる。
- 田口麗斗選手がリリーフから先発に回る可能性があり、左のリリーバーが不足。
- 先発で計算出来るのが菅野智之、メルセデス以外にいない。
といった事が挙げられます。
今年は原監督、宮本コーチ、水野コーチをはじめとする投手コーチ陣の苦肉のやりくりで乗り切れたところが沢山ありますが、来年も同じようにその場しのぎのような起用を続けるのは、ファンとしては心配です。
- 越智、山口の「風神雷神コンビ」
- マシソン、山口鉄也、西村健太朗の「スコット鉄太朗」
といった、終盤の3回を任せられる、「新たな勝利の方程式」を確立しない事には、ニ連覇、日本一、三連覇と出来ませんので、大江投手には2020年はリリーフエースとして活躍する事を、筆者的には希望します。
ただ、筆者だけの希望というのもどうなのかな??と思いましたので、Twitterを使って現在アンケートを集計しています。
アンケートさせて下さいほ✨
大江竜聖投手。
先発でみたい❔
リリーフでみたい❔2020年はどちらで起用されるのでしょうか⁉️
— たーくん@巨人愛溢れる二児のパパ (@takun_baseball) 2019年11月30日
またアンケートの結果が出れば追記していきたいのですが、途中経過はTwitterの方でも見れますので、良かったらTwitterでファンの皆様の投票結果をご確認頂ければと思います。
2019年12月3日追記
Twitterでの投票が終わりました。先発51%、リリーフ49%と拮抗した結果ですが、筆者はリリーフ推しです。
理由は、来年はおそらく田口麗斗選手が先発復帰となるので、今年田口選手が担ったポジションが空きます。
中川皓太選手の負担を減らすため、奪三振率が高いリリーフ適性のある大江選手は適任だと思います。
とは言え、キャンプでアピール合戦となり、首脳陣の目に留まるかが鍵だと思いますので、若手左腕の候補と競ってほしいと思います。
大江竜聖投手が2020年活躍するための課題
ここまで、データや一軍、二軍成績を見ながら大江投手の課題を確認してきましたが、2020年ファンが納得するだけの活躍をするためのまとめを最後に行います。
まず一つ目ですが、「コントロールミスを減らす」です。
本人は、内外角というよりは高さを間違えないようにと発言していますが、筆者も同意見でとにかく腕を振って、ストレートで押すのが特徴のピッチャーです。
制球を意識するあまり、こぢんまりとなるのは勿体ないですし、大江投手には向いていないと思います。
しっかりと腕を振りきれれば、ストレートの球威で十分押し込める力は持っていますので、あとは「自信を深めて確信に変えるだけ」なので、好調時のフォームをしっかりとオフに染み込ませてほしいと思います。
2つ目ですが、「独特のフォームが崩れないための体幹強化」です。
身長173センチと決して恵まれた体格ではありませんし、プロでは小さい方ですが、一年間戦える体力をつけて負けないように強化をしてほしいと思います。
また、2020年は同期の大学生たちがプロ入りしてきますので、先にプロ入りした経験を活かして、同期に負けないように頑張ってほしいなと願っています。
3つ目ですが、「お父さんへの恩返し」です。
大江投手は、小学生の時にお父さんとお母さんが離婚しているので、お父さんが男手一人で育児も少年野球の応援もしてくれたそうです。
父と二人三脚で歩んだプロ野球選手になる夢を叶えた今、次はお父さんへの恩返しは「一軍で活躍する事」、一流の選手になる事です。
ハングリー精神がモチベーションを高め、さらなる成長へと繋がるはずです。
現状に満足せず、超一流のプレーヤー入りするために、このオフはしっかりと自己研鑽してほしいと思います。
今後も大江投手の最新情報があれば、随時更新していきたいと思いますので、何か情報があればコメントやTwitterなどいただければ幸いです。
左のエース候補揃いです!