2018年オフ、炭谷銀仁朗選手のFAの人的補償として西武ライオンズへ移籍する事になった内海哲也選手。
2019年は怪我の影響もあって、辻監督の期待に応える働きが出来ず、プロ入り後はじめての1軍での登板はなしという結果に。
それでも、オフには長野久義選手と共に奄美大島で自主トレを行い、順調にトレーニングを進めてきているので、2020年は期待できそうです。
2020年で38歳を迎え、プロ野球選手として晩年を迎えているので、これから先は一年一年が勝負の年になりますので、毎年引退の危機と隣り合わせです。
以前のような年間を通したパフォーマンスは期待出来ないかもしれませんが、若手の良い見本として、またチームの苦しい時期に先発でイニング数を投げて貢献して欲しいので、ここでは内海哲也選手の過去の成績や年俸、データを見ながら、課題や期待するポイントをまとめます。
内海哲也選手のプロフィール
まずはじめに、内海選手のプロフィールですが、
出身校 | 敦賀気比高等学校→東京ガス |
身長 | 186センチ |
体重 | 96キロ |
高校では、田中良平、森大輔と共に「北陸三羽ガラス」と呼ばれ、プロも注目する左腕でしたが、高校3年生の春のセンバツ甲子園は部員の不祥事で出場辞退し、夏の大会は決勝で敗退と甲子園には出場出来ませんでした。
高校では1試合平均14奪三振を奪う奪三振能力の高さは、最速144キロのストレートと落差が大きなカーブのコンビネーションがあったからで、高校生ながらドラフト1位候補としてスカウトからも注目されましたが・・
祖父の内海五十雄氏が巨人の野手だった影響もあり、巨人以外の指名は拒否する意向で、巨人以外は社会人へ進む事も決めていましたので、オリックスからドラフト1位で指名を受けるも拒否し、東京ガスへ入社します。
巨人入団後は、1年目から一軍出場も果たし、
- 最多勝 2回(2011年、2012年)
- 最多奪三振 1回(2011年)
- ベストナイン 1回(2012年)
- 最優秀投手賞 1回(2012年)
など、投手のタイトルを獲得したり、WBCなど国際試合にも侍ジャパンへ選出され出場するなど、巨人の左腕エースから、球界を代表する左腕へと成長していきます。
内海哲也選手の主な投手成績
続いて、内海選手の投手成績についてですが、
登板 | 勝利 | 敗北 | 勝率 | 投球回 | 安打 | 本塁打 | 四球 | 三振 | K/BB | 防御率 | |
2004 | 3 | 0 | 0 | .000 | 14 | 14 | 1 | 4 | 13 | 3.25 | 5.14 |
2005 | 26 | 4 | 9 | .308 | 114 | 138 | 18 | 31 | 76 | 2.45 | 5.04 |
2006 | 31 | 12 | 13 | .480 | 194 | 163 | 13 | 52 | 179 | 3.44 | 2.78 |
2007 | 28 | 14 | 7 | .667 | 187.2 | 183 | 16 | 48 | 180 | 3.75 | 3.02 |
2008 | 29 | 12 | 8 | .600 | 184.1 | 166 | 7 | 68 | 154 | 2.26 | 2.73 |
2009 | 27 | 9 | 11 | .450 | 179.2 | 161 | 23 | 36 | 115 | 3.19 | 2.96 |
2010 | 27 | 11 | 8 | .579 | 148 | 168 | 14 | 32 | 121 | 3.78 | 4.38 |
2011 | 28 | 18 | 5 | .783 | 185.2 | 153 | 13 | 47 | 144 | 3.06 | 1.7 |
2012 | 28 | 15 | 6 | .714 | 186 | 173 | 8 | 40 | 121 | 3.03 | 1.98 |
2013 | 25 | 13 | 6 | .684 | 160.1 | 157 | 11 | 47 | 107 | 2.28 | 3.31 |
2014 | 22 | 7 | 9 | .438 | 144.2 | 139 | 11 | 36 | 105 | 2.92 | 3.17 |
2015 | 5 | 2 | 1 | .667 | 23.1 | 30 | 4 | 6 | 10 | 1.67 | 5.01 |
2016 | 18 | 9 | 6 | .600 | 107.1 | 104 | 10 | 22 | 81 | 3.68 | 3.94 |
2017 | 12 | 2 | 7 | .222 | 57.2 | 66 | 10 | 18 | 34 | 1.89 | 5.77 |
2018 | 15 | 5 | 5 | .500 | 82 | 95 | 11 | 19 | 56 | 2.95 | 4.17 |
巨人では四球数が少なく、奪三振力もそこそこありますが、制球力重視で多彩な変化球を操って打ち取るスタイルで失点しない粘り強さが持ち味です。
クイックモーションの平均が1.1秒と球界内でも早く、盗塁企画数も少ないため、ランナーを出しても上手く足を殺せるので、ピンチを広げないのが内海選手の良いところです。
内海哲也選手のセイバーメトリクスデータ
もう少し内海選手のデータを紹介していきたいのですが、セイバーメトリクスの主な指標を見ると、
被打率 | 被出塁率 | 被長打率 | 被OPS | QS | QS率 | FIP | RSAA | WHIP | |
2015年 | .316 | .356 | .516 | .872 | 1 | 20.00% | 5.26 | -5.58 | 1.54 |
2016年 | .254 | .300 | .374 | .675 | 11 | 61.11% | 3.58 | 1.23 | 1.17 |
2017年 | .291 | .347 | .489 | .836 | 4 | 33.33% | 5.29 | -11.13 | 1.46 |
2018年 | .291 | .347 | .489 | .836 | 4 | 33.33% | 5.29 | -11.13 | 1.46 |
2016年は貯金3と復活を印象づける活躍ですが、このデータを見て分かるのが、やっぱり勝利数を伸ばしている時は「クオリティースタートが良い」のは相関性があると思います。
先発投手が6回までしっかりと投げてくれれば、ある程度勝利数は付いてくるものなので、内海選手復活のカギは、最低でも5回、6回まで試合を作る事にあるのかな??と思います。
クオリティースタートでは6回3失点で評価されますが、西武ライオンズの打力があれば、6回4失点でも十分仕事を果たしたと言えそうですね。
次にFIPと呼ばれるデータですが、
- 被本塁打
- 四死球
- 奪三振
- 投球回
- 防御率
5つのデータを基に計算されるピッチャーの評価をする指標の1つですが、FIPは防御率との相関性が高いのですが、内海選手の平均が5.00以上の年が多いため、打線は6点以上あげないと勝てない可能性があるという事を示しています。
先程、4点もあれば十分に勝ち星を積み上げられるはず・・と書きましたが、2016年以外のパフォーマンスでは、勝ち星は伸びないだけでなく、1軍のチャンスも与えられない可能性もあります。
続いて、RSAAですが、平均的な投手が投げた場合に比べてどれだけ点数を取られるか?を評価するデータですが、こちらも年々数字が悪化し、データの残る直近2年は-11.0と厳しい評価をせざる負えない結果です。
2019年の怪我は完治しているのか??
西武ライオンズに移籍後、1軍のマウンドに立てていない内海選手ですが、キャンプ中に痛めた左浅指屈筋(せんしくっきん)の怪我が影響し、調整が遅れたことが原因のようです。
ファームでは
防御率 | 試合 | 勝利 | 敗北 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 奪三振 | WHIP | DIPS |
9.45 | 7 | 0 | 2 | 20 | 33 | 5 | 5 | 10 | 1.9 | 6.27 |
7試合に登板も勝利なしですが、勝敗の結果よりも気になるのがデータの中身ですが、
- 被本塁打 5本
- WHIP 1.9
- DIPS 6.27
は、二軍レベルの数字としてはアピールが出来ない数字です。
特に、粘りと制球力を武器にする内海選手がWHIPで2.0近くランナーを出すようでは、試合を作る事が出来ませんので、気をつけたいところです。
内海哲也選手の球種と投球割合
次に、内海選手の球種と投球の割合ですが、
投球割合 | 被打率 | 被本 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 | |
シュート | 26.34% | .281 | 1 | 4 | 5 | 5.49% | 17.65% |
スライダー | 18.70% | .368 | 3 | 2 | 7 | 5.52% | 25.97% |
チェンジアップ | 18.08% | .289 | 0 | 3 | 10 | 15.43% | 11.43% |
ストレート | 24.17% | .235 | 4 | 8 | 6 | 3.85% | 22.65% |
カットボール | 11.98% | .324 | 2 | 1 | 6 | 10.34% | 10.34% |
多彩な球種を持ち合わせていますが、内海投手は毎年ストレートやスライダーでの空振り率が低く、み逃し率が高い投手のため、大きな変化は見たりませんが・・
ストレートの被打率の低さの割には本塁打が4本と多いので、長打に対する警戒が必要だと思います。
内海哲也投手の年俸や背番号
次に内海選手の年俸と背番号の推移ですが
年 | 年俸(推定) | 背番号 |
2020年 | 7500万円 | 27 |
2019年 | 1億円 | 27 |
2018年 | 1億円 | 26 |
2017年 | 2億円 | 26 |
2016年 | 4億円 | 26 |
2015年 | 4億円 | 26 |
2014年 | 4億円 | 26 |
2013年 | 4億円 | 26 |
2012年 | 2億2000万円 | 26 |
2011年 | 1億2000万円 | 26 |
2010年 | 1億4000万円 | 26 |
2009年 | 1億2000万円 | 26 |
2008年 | 8400万円 | 26 |
2007年 | 3600万円 | 26 |
2006年 | 1800万円 | 26 |
2005年 | 1500万円 | 26 |
2004年 | 1500万円 | 26 |
最高年俸4億の4年契約が終了後、年俸も大幅にダウン、西武ではついに7500万と1億円プレーヤーから落ちる事に。
背番号は、炭谷銀仁朗選手と入れ替えるように、27番を背負っていますが、西武ファンは一軍で27番をつけた内海選手が活躍する姿を心待ちにしていると思いますので、キャンプから元気な姿を見せて、また1億円プレーヤーに返り咲いてほしいですね。
2020年内海哲也選手に期待するところ
2019年10月のフェニックスリーグに参戦中に左前腕に違和感を感じ降板、その後左前腕筋腱修復手術を受け、リハビリを行ってきましたが、順調に回復し、自主トレも調子が良いみたいです。
今年で38歳を迎えるシーズン、年々パフォーマンスが落ちるのは仕方ないですし、一年間活躍するのは難しいかもしれませんが、谷間の先発や中継ぎ登板など、チームが内海選手を必要とする時は必ずやってきます。
そのときにしっかりと調整し、結果を残せば、2020年オフに国内FA権を行使し巨人復帰・・なんて事があるのかも??しれません。
巨人入団の経緯や入団後の実績を考えれば、ゆくゆくは巨人のコーチになってほしい器ですし、そのためにも引退までの時間をどう使うか?
一度巨人から出て、外から見た巨人も観察してもらって、経験を還元してほしいと思います。
2020年は引退をかけた一年になるかも知れませんが・・
最後まで完全燃焼できますように、巨人ファンも応援していますので、頑張ってくださいね。
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