2019年は腰痛に苦しみ、3度の登録抹消と苦しいシーズンを歩んだ菅野智之投手。
すでに腰痛は癒えて、現在はハワイで自主トレに励んでおり、2019年の反省を活かした体幹強化を図っているようです。
スポーツ報知さんの記事によると、
- 前半戦で通算100勝
- 五輪で金メダル
- 後半戦でシーズン20勝クリア
3つの2020年の目標を達成するために、昨年の反省を活かし、筋力強化で硬くなりすぎないように、柔らかさと強さを併せ持った体幹づくりを進めているんだとか。
しかも、股関節周りの下半身だけでなく、胸郭周りの筋肉も強化し、上下のバランスも理想に近くなってきているとの事で、今年の菅野投手は安心して見れそうな予感です。
高い期待感しか漂わない、安心の菅野投手ですが、一つ心配・・と言いますか、今オフ菅野投手はポスティングシステムを使ってメジャーリーグへ挑戦する事になるのかな??という点は、ファンなら2年連続でエース級の投手が抜ける可能性があるのですから、気が気でないと思います。
筆者としては、憧れや夢のメジャーに挑戦するなら、なるべく若く挑戦してほしいので、海外FAを待たずにポスティングで挑戦する方が良いと思います。
しかし、ポスティングの場合は、FAと違って短い交渉期間で最上の契約を勝ち取らなければいけませんので、少々難しいところがあります。
菅野投手ほどの選手であれば、問題はないでしょうが、今現在の菅野投手はメジャースカウトからどれくらいの評価を受けているのか?
過去にメジャーへ渡った選手の成績や評価から推察してみたいと思います。
菅野智之選手の生涯成績と2020年の年俸
まず最初に、菅野投手の主な生涯成績と、年俸をおさらいしておきましょう。
登板 | 勝利 | 敗北 | 完投 | 完封勝 | 無四球 | 勝率 | 投球回 | 四球 | 三振 | K/BB | 防御率 | |
通算 | 176 | 87 | 47 | 34 | 17 | 12 | .649 | 1222.2 | 240 | 1083 | 4.51 | 2.36 |
2020年度中に100勝を達成する見込み、入団8年目で達成となるとダルビッシュ有選手と並びますが、ダルビッシュ有選手は177試合で通算100勝(メジャー移籍後)を達成しています。
ちなみに、最短記録はスタルヒン氏の165試合です。
クオリティスタートは防御率と相関性ありも、今後重要視されない指標になる??
でも書かせて頂きましたが、最近は先発完投型や規定投球回数をクリアする投手は、トレンドではなく、投手の分業制が以前よりもさらに進んでいますので、勝利数が必ずしも投手の優劣になるわけではないですが・・ダルビッシュ有選手はもの凄い勝率ですね・・汗
ちなみに、今も現役で活躍するメジャー投手ダルビッシュ有、田中将大、前田健太の3人と昨年海を渡った菊池雄星を含めた4人のNPB時代の成績ですが、
登板 | 勝利 | 敗北 | 完投 | 完封勝 | 無四球 | 勝率 | 投球回 | 四球 | 三振 | K/BB | 防御率 | |
ダルビッシュ有 | 167 | 93 | 38 | 55 | 18 | 9 | .710 | 1268.1 | 333 | 1250 | 3.75 | 1.99 |
田中将大 | 175 | 99 | 35 | 53 | 18 | 12 | .739 | 1315 | 275 | 1238 | 4.50 | 2.30 |
前田健太 | 218 | 97 | 67 | 28 | 10 | 4 | .591 | 1509.2 | 319 | 1233 | 3.87 | 2.39 |
菊池雄星 | 158 | 73 | 46 | 15 | 7 | 1 | .613 | 1010.2 | 371 | 903 | 2.43 | 2.77 |
皆さん、100勝目前にして、日本を離れているんですね・・
しかし、ダルビッシュとマー君の勝率7割超え・・・凄まじいですね。
日ハムも楽天も、当時は突出して打線が良かったわけではなかったはずですし、その中でこの勝率ですから、今日のメジャーでの活躍は納得ですね。
データの中で意外だったのが、マー君がK/BBで菅野投手よりも良いという事。
菅野投手は制球力がNPB屈指だという事は誰しもが認めるところですが、マー君は毎年良くはなっているでしょうが、K/BBが4.50と傑出した数字です。
やはり、勝てる投手というのは、制球力が良いので、試合を有利に進める事が出来るんでしょうね。
続いて、年俸ですが、2019年オフに菅野投手は6億5000万円で契約更改しています。
同じく、現役メジャーの4人が日本の最終年度に手にした年俸ですが、
年俸 | 当時の年齢 | |
ダルビッシュ有 | 5億円 | 25歳 |
田中将大 | 4億円 | 25歳 |
前田健太 | 3億円 | 27歳 |
菊池雄星 | 2億4000万円 | 27歳 |
と、ダルビッシュ有選手は若くして5億円と、年俸の上がり方が異常でしたが、菅野投手は30歳で6億5000万で球界最高額を得るなど、評価は日本最高額というのが、現状になります。
現役メジャー投手の移籍一年目の評価と成績
ここまで、NPB時代の成績と年俸をおさらいしましたが、菅野投手の評価がどれくらいのものか?を推察するために、再度4人の日本人現役メジャーリーガーの数字を紹介したいと思います。
4選手の移籍を決めた1年目の年俸と主な成績ですが、
防御率 | 勝利数 | 敗戦 | 試合数 | 勝率 | 投球回 | 与四球 | 奪三振 | K/BB | 年俸 | |
ダルビッシュ有 | 3.90 | 16 | 9 | 29 | .640 | 191 1/3 | 89 | 221 | 2.48 | $5,500,000 |
田中将大 | 2.77 | 13 | 5 | 20 | .722 | 136 1/3 | 21 | 141 | 6.71 | $22,000,000 |
前田健太 | 3.48 | 16 | 11 | 32 | .593 | 175 2/3 | 50 | 179 | 3.58 | $3,125,000 |
菊池雄星 | 5.46 | 6 | 11 | 32 | .353 | 161 2/3 | 50 | 116 | 2.32 | $8,000,000 |
ダルビッシュ選手は、勝利数こそ伸ばしていますが、防御率、勝率、K/BBともに数字を落としましたが、投球回数と奪三振数はNPB時代と遜色ないほどの数字です。
田中将大選手は、勝率.722、K/BB6.71と高い数字を誇っていて、年俸に見合った成績を残しました。
前田健太選手は、勝率.600を切っていますが、16勝をあげてチームに貢献していますが、年俸を考えればコスパに優れた選手だったと思います。
逆に菊池雄星選手は、移籍年目の2019年は6勝に終わり勝率も.353と苦しんでいますが、シーズン当初の好調が続かず厳しい一年目となりました。
山口俊投手のポスティングシステムでの評価
2019年オフ、山口俊投手がポスティングシステムを利用しての大リーグ挑戦は、巨人に新しい可能性を示した事で、大きな話題になりましたが、2019年の山口選手は
- 最多勝
- 最多奪三振
の投手2冠を獲得し、名実ともに2019年巨人のエースでしたが、山口選手はメジャーでどれだけの評価をされているか??注目していましたが、ブルージェイズから2年総額600万ドルの評価を受け移籍する事が決まりました。
また、出来高も付いているようで、満額もらえる場合は、総額10億円近くの大型契約になるようですが、日本での山口選手の年俸は、3年7億円前後でしたので、NPB時代の実績も評価されているようです。
菅野智之選手がポスティングした場合の評価はいかほど?
ここまで紹介したように、5選手ともメジャーへの移籍時点でNPBでの実績を認められて、高い評価を受けて移籍する事に成功していますが・・・
現時点でNPB最高投手と言っても良い菅野選手がメジャーに移籍すれば、どれだけの評価を得られるのか?を推察していきたいと思います。
2018年オフ時点でのメジャースカウトのコメントでは、
「体力、精神的にもここ1、2年がピークでしょう。30歳を過ぎれば球威は落ちてくる。メジャーでは球威がないと、簡単にホームランを打たれてしまう。制球の良さはメジャーに行ってもトップクラスですが、4年後となると33歳ですからね。今の菅野選手の価値の6掛けから7掛けがいいところでしょう」
と評価されていますが、当時は巨人ではポスティングによるメジャー移籍はご法度と思われていたので、いかに菅野投手と言えどもポスティングは無理だろう・・
という事での評価でしたが、1年早める事が出来ますので、2020年の活躍がそのまま評価に結びつく可能性は十分です。
一部のメディアでは、菅野選手がメジャーにすぐ移籍するのであれば、100億円を用意すると大型契約を示唆したとも報道されていましが・・・
とは言っても、さすがに一番良い時に移籍したマー君のような7年160億円といった大型契約を結ぶことは無理でしょう。
しかし、菊地選手や山口選手のような2年契約ではなく3年契約は十分にありえると思いますので、2019年のような不調がない前提でいけば、3年年俸8億円前後プラス出来高を合わせて30億前後はあるのでは??と思います。
ただし、この年俸も「怪我がない事が前提」で、メジャーで先発するには200回相当のイニングイーターになれるかどうか??が評価の分かれ目になるのは言うまでもないと思います。
年齢も30歳を超えてきた今、これ以上のノビシロは大きく期待出来ないですが、それでも現状のパフォーマンをメジャー相手でも十分見せてくれるはずです。
菅野投手も
「僕はまだ彼(大谷翔平)ほどの絶対的な力は持っていない。しっかり絶対的な実力をつけて、文句なしで行けるように。」
とコメントしているように、2020年はファンも球団も納得の絶対的な成績、そしてチームを日本一へ導く活躍で、誰もが後押ししてくれる状況を作ってくれる事を今から期待せずにはいれません。
キャンプインまで時間はありますが、怪我をしないように気をつけて下さいね。
一緒に読まれています。