2017年のドラフト指名後、目立った活躍もなく2年が経過。
2020年は崖っぷちの村上海斗選手、恵まれた体格を活かしたロマン砲として期待されてきていますが、この二年は怪我や病気に苦しめられています。
また、今年はフォームが固まらず、悩んだ中で野球をやってきたのか、イースタンリーグでも結果を残す事が出来ずにいる将来を期待される大砲候補。
2020年、ファームで活躍し、2021年に一軍レギュラー争いをするためには何が必要か?ここではイースタンリーグの成績や周囲の評価などを元に考察します。
村上海斗選手のプロフィール
はじめに、村上選手のプロフィールですが、
出身校 | 北照高→奈良学園大 |
身長 | 189センチ |
体重 | 95キロ |
高校時代は、控え投手兼外野手で2年、3年と二年連続で甲子園に出場、甲子園んでは.167と結果を残す事ができず、大学へ進学。
大学では当初投手で入学するも、外野手へ転向し2年からレギュラーとして活躍、4年春のリーグでは打率.320、本塁打2本とスカウトの目を引きつけ、2017年ドラフト7位で巨人へ入団しています。
大学の頃の恩師、酒井監督は、
「まだまだ伸びる。これだけのポテンシャルを持った選手はなかなかいません。技術が身についてきたら糸井(オリックス)や柳田(ソフトバンク)のようになる可能性を持っています」
と評価し、また当時のスカウト評でも
「足と守備はしっかりできていて(1軍でも)すぐに使える。ウチの外野の右打者では陽、長野に続くような選手になってもらいたい」
と評価を受けているので、課題の打撃が良くなれば、すぐにでも頭角を表してきそうな選手です。
実際、2019年秋はジャイアンツ球場居残り組と宮崎で行われる秋季キャンプとに分けられますが、村上選手はイースタンリーグでの成績は結果を残せていませんが、秋季キャンプメンバーに抜擢されています。
キャンプで原監督に、上体でボールを追いかけて突っ込んでしまう癖や左右に頭がブレる癖を指摘され、「串刺し打法」を伝授されています。
串刺し打法といっても、比喩的な表現で、身体が前後左右にブレないで、頭のてっぺんからおしりに一本の串が刺さっているイメージをして、ボールを引きつけて打つ事を指導しています。
串刺し打法は、名前は違えど、過去に坂本勇人選手、大田泰示選手、岡本和真選手と原監督から直々に指導された選手は、漏れなく原監督から同じポイントを指摘されています。
坂本勇人選手と岡本和真選手の場合は、松井秀喜氏のアドバイスもあり、さらに「右足に重心を残す打法」に改良し、結果を残していますが、手打ちにならずに身体の力を伝えられる打ち方をするには、できるだけ引きつけて、スイングスピードを上げて打つ必要があります。
村上選手の場合は、恵まれた体格からスイングスピードも速く、振る力はあるので、あとは「確率を上げていく」ために、より引きつけて打ってほしいのが、指導の意図だと思います。
村上海斗選手を評価するのは難しい??
首脳陣からも期待されている一人だというのは、秋季キャンプ抜擢からも分かりますが、村上選手を評価するのは、数字だけでなく難しいところがあります。
まずその一つ目として「怪我の多さ」です。
一年目は、手首を故障したり、胃腸炎に二度かかり体重が10キロ減になった事もあったそうです。
体調管理という点では、プロ野球選手は身体が資本ですから、きっちり管理出来ていないという点では、プロ失格と言われても仕方ないでしょう・・
また、持病の「リュウマチ」も評価を難しくする要因です。
リュウマチは、ほとんどのケースが治る事のない病気で、薬で症状を緩和し続ける必要がありますが、症状が悪化すると、疲労感や体重減少などに見舞われる事があります。
長いペナントレースを戦い抜く上で、疲労感が抜けない、体重が減少する事があると、最高のパファーマンスを維持し続ける事が難しくなる可能性もあります。
自分の身体と付きあっていく術を身につけていれば、問題も少ないかもしれませんが、才能が開花した際に、どこまで体力がついていけるか?は少々心配なところがあります。
あと一つ評価が難しいのが「性格的な問題」です。
類まれなる体格は魅力的ではありますが、支配下登録3年目でドラフトも下位指名。
となると2020年オフに結果が伴わない場合には戦力外通告もしくは育成契約となってしまう可能性があり、残された時間は多くありません。
ただ、村上選手は規格外なのは体格だけでなく、実は言動も少々「天然」が入っているという事で、糸井嘉男選手ばりの宇宙人的なところを見せていて、のんびり屋さんなところがあるようで・・
糸井選手のように、投手から転向後すぐに才能が開花すれば良いですが、すでに2年経ったという事をどこまで自覚し、このオフに厳しくトレーニングを積めるのか?が重要だと言えそうです。
村上海斗選手のイースタンリーグでの成績
ここで、村上選手のファームでの成績を紹介しますと、
打率 | 試合 | 打席数 | 安打数 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 四球率 | 三振 | 三振率 | K/BB | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
2018 | .162 | 15 | 39 | 6 | 2 | 3 | 0 | 1 | 0.03 | 10 | 0.26 | 0.10 | .179 | .324 | .504 |
2019 | .156 | 51 | 117 | 17 | 0 | 6 | 6 | 6 | 0.05 | 44 | 0.38 | 0.14 | .205 | .239 | .444 |
2019年は安打数が増えましたが、過去2年打率が1割台と苦しんでいます。その中でも、盗塁数や四球数が伸びているのは、成長の証と捉えても良いかもしれません。
三振数が多いので、K/BB含めてデータがよくなる事はありませんが、球団はスケールの大きな打者を育てようとしているので、2020年のファームで
- 打率.230、本塁打10本、盗塁数10以上を記録
- K/BBも0.7前後まで引き上げ、出塁率.300超え。
この数字を目指してほしいですし、あわよくばペナントレース終盤に1軍デビューを果たしてくれると、球団としては面白い存在になるのでは無いかと思います。
村上海斗選手の年俸と背番号の推移
続いて、村上選手の年俸と背番号ですが、
年 | 年俸(推定) | 背番号 |
2020年 | 710万円 | 66 |
2019年 | 740万円 | 66 |
2018年 | 800万円 | 66 |
背番号は66で変わりないですが、背番号も55を背負った松井秀喜氏よりもスケールの大きな大砲に育ってほしいという球団の想いが66番にしているのでしょうか?
まずは、自分の番号にするべく結果を残してほしいですし、ゆくゆくは一桁の番号を背負える選手になってほしいですね。
年俸に関しては、イースタンリーグで二年連続で打率1割台と結果が伴っていないのでマイナス査定。
2019年は優勝した事で温情査定が多い中で、村上選手は残念ながらマイナスですが、これは当然の結果だと想います。
下手をすると育成契約の打診があってもおかしくなかったところを、2020年も勝負させてもらえるわけですから、是非とも頑張ってほしいですね。
村上海斗選手の目指す選手像は??
ここまで村上選手の成績や評価を紹介しましたが、現状は「非常に厳しい」と言わざるえない状況です。
遠投110メールと、50mも5.8秒と189センチの大型の選手の割には、俊敏さと運動能力の高い選手のため、球団もなんとか育成してモノにしたいという思いがあるのでしょうが、才能が開花するかどうかは「打撃」次第です。
守備と走塁は、もともと光るものがあったので、少しずつ改善されたりプロのレベルに慣れれば、外野手としてやっていけると思いますが、さすがに打てなければ1軍抜擢は厳しい・・・
守備要員だけなら、他にも松原選手、重信選手、一軍レギュラークラスだと亀井選手、陽岱鋼選手もいますので、壁は分厚いです。
となると、村上選手が他の選手と違った特徴を見せる事が出来るのはどこ?となれば、「長打力」しかないと思っています。
そして、同じ長打力と身体能力の高さをウリにしているプロ野球選手のロールモデルとなる選手は、
- 大田泰示
- 糸井嘉男
- 柳田悠岐
この3人になると思います。
大田選手は、巨人で開花せず他球団移籍時にプレッシャーから開放され、思い切ってプレーすることが出来た事で才能が開花しました。
糸井選手は、投手から野手へ転向し、1ヶ月間大村コーチの元で猛練習にはげみ、打撃開花に至りました。
柳田選手は、王会長の指示のもと、コーチから打撃フォームをいじる事を禁止され、とにかく長打力を伸ばすために練習から全力でフルスイングを貫いて開花しました。
それぞれ、下地やきっかけがあっての才能開花ですが、体格は持って生まれたもので、天性のモノですから、誰しもが持てるわけでないので、村上選手も恵まれた体格をフルに活かした打撃をウリに、巨人のロマン砲になってほしいと思います。
原監督からも
「スイングそのものは力強く、持っているスケールは大きい。足もあるし、肩もある」
走攻守高いレベルの素材である事は誰も疑いようのない事実ですので、是非とも2020年はきっかけを掴んで下さいね。
外野手の若手ライバルたちです
- 巨人の山下航汰外野手レギュラー獲りなるか?育成ドラフト上がりの2019年二軍成績は?
- 松原聖弥選手、育成ドラフトから支配下登録、怪我を乗り越え一軍で期待の成績を残せるでしょうか?
- 重信慎之介のフォームは青木宣親選手?50m5.7秒の俊足で盗塁王を目指して欲しい!
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2020年2月5日更新
2月4日に行われた紅白戦で2安打を放ちアピール!
昨秋、原監督から潜在能力を買われて秋季キャンプ一軍入りした逸材が、ついに覚醒するのか?次の紅白戦でのアピールが楽しみになってきました。
打撃内容
第一打席 カウント1-1から直球を捉えてライト前ヒット
第二打席 初球の直球を捉えてセンター前ヒット
直球を捉えていますので、次は変化球の対応もチェックしたいと思います。