今回は、コメントをいただいた内容が、一つの記事に出来る内容だと思いましたので、私なりの私見を述べさせていただきます。
筆者の考えは、お互いの意見は尊重しあうべきで、相手を批判する事はしないものです。
また、ネット社会と言えばども、モラルは必要だと思いますので、それぞれの意見に対して、またコメントを頂くのは自由ですが、読んだ方が気分を害しない(筆者も含めて下さい・・)コメントをいただき、発展的な議論ができればと思います。
プロである以上ファンの期待に応えるのは当たり前
それでは、今回のコメント企画ですが
「読売巨人軍はなぜ常勝でなければいけないのか?」
について、筆者なりの見解を書かせていただきますが、その前に頂いたコメントから紹介しておきましょう。
コメント内容
端的になぜ最強じゃなきゃいけないんですか?
なぜこんなにNo 読売を唱えるファン層が多いのに常勝してほしいと思われてるんでしょうか。
少なからず、今回の日本シリーズセリーグ代表の読売Gさんをセの代表として応援してた他球団贔屓チームのファンは皆無です。むしろ負ければいいと思ってたほどです。
これはパと違う現象が起きてます。
僕は理論的にいろんな事実をわかった上で貴殿の贔屓チームに良い感情を持てません。なぜならば物語る必要もないほど補強に対して疑念間を抱いております。
なぜファンの方々はノーといわないのでしょうか。その振る舞いがつまらなくしており、白けている部分でもあります。
それでも常勝を願っているんでしょうか。どこの球団常に優勝を目指しており、特別扱いは甚だおかしな事であります。
今回の日本シリーズ、実力差は目に見えました。
それでも常勝を理由に好き放題ルールも変えてしまいたい思い、それでもなぜこの読売を応援するのでしょうか。
少なからず、いやむしろ痛いほど編成部分ドラフト含め、耳の痛い事柄があるのは事実ですよね。
なぜ、読売常勝なんですか?
このコメントについて、筆者は
「読売巨人軍に限らず、常勝を考えないプロ集団があるならば、プロを名乗らないで欲しい」
です。
プロ選手は、スポンサー、ファンから頂いたお金から、チームの運営費や年俸が出ているので、スポンサーやファンの期待に応えるのは当然です。
仮に、どこかのチームのファン全員が「優勝しなくていいので、現有戦力で戦って欲しい」なんて言えるものならば、全員が共通認識ならば、ファンの期待に沿っているので、問題ありません。
あらゆる感情が一つにまとまる事は不可能
しかし、100%ファンが納得しているか?なんて、「人間の感情が入り交じる」のに成り立つわけが無いんですよね?
選手に一人もファンが付いていないなんて事は有りえませんよね?
と考えれば、例えばその選手が戦力外通告にでもなれば、選手のファンは球団に対して怒りを感じる事はあるのでは無いですか?
その感情、当然のものだと思います。
逆に、戦力外通告された選手が他球団に移籍すれば、応援する球団を変えるファンがいてもおかしくないですよね?
全て人間には感情があるので、批判するべきところではないと、筆者は思うし、自由に応援したいチーム、選手を応援したら良いのではないでしょうか??
ファンの中でも、良い事と悪い事を判断したり、どちらでも無いという判断をしたり、またチーム編成側でも良い事、悪い事、どちらでも無いと判断したり、またファン以外でも同様の判断がなされたり・・
いわゆる「ワンチーム」のような感情が一つにまとまるという事は、人それぞれ考え方が違う中でまとまるわけがないと思うのです。
その点は、コメントの中でも
「どこの球団常に優勝を目指しており、特別扱いは甚だおかしな事であります。」
と書かれているので、異論は無いように感じますが、後半の特別扱いは甚だおかしな事というのは、文脈から考察するに、原監督のFAの人的補償のルール改正やDH制導入の事だと思われます。
原監督は、一監督で批判される事も分かりながら、持論を展開しただけで、言論の自由からすれば、何も問題ないですし、その発言を持って断罪される事はありません。
原監督の一言で、いきなりFAのルール改正やDH導入がなされるのであれば、「特別扱い」は分かりますが・・何も特別な事は起きていないので、議論にならないところです。
真の敗因を考え補強するのがプロフェッショナル
話が前後しましたが、コメントを上から順を追ってみていきますと、
「今回の日本シリーズセリーグ代表の読売Gさんをセの代表として応援してた他球団贔屓チームのファンは皆無です。むしろ負ければいいと思ってたほどです。」
他球団に応援されなくても、それぞれのチームにはファンが付いていますので、特に問題にはならないと思います、また負けろと思われても、それはファン同士の議論までにして、懸命に戦っている選手に対しての発言にするのは間違っていると思います。
例を挙げると、侍ジャパンで不調な選手が出てくると、試合に負けた途端、戦犯探しに走りますが、それこそ日本のマスコミの悪いところ、ファンの意識の低さが原因だと思います。
「自分が打てなかった、守れなかった・・」
なんて、人に指摘されなくても分かっている事ですし、その悔しさを持っているからこそ、さらに努力を重ねて、ファンを喜ばそうと頑張るわけです。
「○○のせいで負けた・・」
なんていつまで言っていても、本当の敗因は見えてきません。
今回の日本シリーズで巨人が4連敗した事は、一番の原因は「サカマルの調子が上がらなかった事」が原因ですが、長いペナントレースを戦い抜いて活躍した二人が、日本シリーズの不調だけで批判される事はありません。
むしろ、クライマックスシリーズから二人共打撃の形が悪くなってきていて、形を崩していたのもセ・リーグの各球団が徹底的にマークした結果だとも言えます。
さらに、日本シリーズではソフトバンクホークスが徹底的に崩しにかかって、サカマルに本来の形で打たせないようにしていました。
プロ野球解説者の中にも、同じような事を語っていらっしゃった方が複数人いましたし、その点で言えば巨人の準備不足だった、サカマルの崩れた打撃を修正してあげられるコーチングが出来なかった事が敗因になるでしょう。
その敗因から、
- 選手たちがそれぞれ自分の課題をどう向き合うのか?
- 首脳陣が選手に対して足りないものを指摘し、コーチングで伸ばしていけるのか?
- チーム編成はドラフト、外国人補強、トレードなどを駆使して強化していくのか?
これらを考えなければ、プロフェッショナルの仕事ではないですし、ファンは誰も納得しないのではないでしょうか。
選手が待遇を良くしたいと思うのはプロとして当然の事
繰り返しになりますが、プロスポーツはすべて「商売」です。
商売が成り立たなければ、給料をもらえるわけもありません。勝たない選手にいつまでもスポンサーが付くわけはないのです。
さらに、ファンも離れていくかもしれませんし、弱くなったスポーツ人工が減れば、団体の衰退にも繋がる可能性があります。
自前で育てた選手が、他チームへ移籍する事は、ファン心理からすると「裏切り者」という感情があってもおかしくはないですが、選手からすると評価されるのは「お金や待遇」です。
これは、我々社会でも同じですよね?
- 経営者であれば、より仕事がもらえる、単価が高い、長く取引出来ると条件の良い取引先に恵まれたい。
- サラリーマンであれば、少しでも給料を上げたい。
と思って仕事をするのは当然の事だと思います。
※この点について議論をするのは論点がずれますので致しませんのでご容赦下さい。
とは言え、ファン心理で文句を言いたい気持ちはわかる
選手も寿命があり、選手でいられるうちに、なるべく高い待遇を勝ち取り、引退後の事も考えていかなければいけないわけで、そのためにFA宣言などを使うのは、何も悪くはないと筆者は思います。
ここで改めて、コメントに戻りますが
「編成部分ドラフト含め、耳の痛い事柄があるのは事実」
とありますが、巨人だけに限らずドラフト会議に耳の痛い事例は、どこにあるのでしょう?
巨人に関しては、ドラフトでくじ引きして9年連続でしたかね?負け続けていて、欲しいと思った選手を取れていないんです。
ここ3年は、外れ外れ一位続きですから。
それでも、外れ外れと言われた選手が活躍する、他球団入りした選択選手は怪我で結果が出ていない、逆に大活躍している・・・なんて事は、過去から沢山ある話です。
ドラフトで欲しいと思った戦力が取れない、補えない・・となれば、ルール上可能なFAで補強に走るのは、何も悪くないと思います。
ただ・・
そのFA補強は本当に必要だったの?というファン心理が働くのは、もちろんあります。
私自身も「この補強は本当に要らないわ・・」と過去にも思った事はたくさんありますし、この補強で有望な若手が流出した・・・事は、事実です。
逆に、トレードでかつてのドラフト1位が他球団で輝きを取り戻したという例もありますが、ファンからすると微妙な心理状態ですが・・
それでも他球団で活躍するだけのポテンシャルを発揮させるのに、トレードに出した球団の決断は素晴らしかったと褒めるべきだと思います。
ここでも、冒頭で書いた通り「様々な人間の感情が入り交じる」ので、一つにまとまるわけがありません。
今年のFA選手に参戦しようとチーム編成が考えたとしても、ファンが不要だといくら唱えても、その願いが届く事は、ほぼありません。
チーム編成を任される人も、スカウトも、首脳陣も、すべて「プロ」です。
球団に雇われて、仕事をもらえているわけで、能力がないと判断されればクビを切られるわけです。
当たり前に結果を求められる、仕事に責任を持つのは当然の事なので、その人が信じて決定した事は、時にはファンも容認して、結果を見届ける事も大事だと思います。
批判するのは簡単ですが、決定する側の人も、重たい決断を迫られているわけで、自分のクビをかけてファンと一緒に強くなるためにどうすれば良いか?を一生懸命考えているわけです。
「その考えを批判するのでなく、受け入れる」
事ができるようになっても、時には良いのではないかな??と筆者は考えます。
読売巨人軍は常勝でなければいけないのか?
長く書き進めてきましたが、最後に読売巨人軍は常勝でなければいけないのか?というコメントについて、お答えすると「イエス」です。
理由は単純明快で、常勝を義務づけるのが球団の文化であって、先人から引き継いできた意思だからです。
冒頭も書いた通り、巨人でなくても常勝は義務付けられていると思います、プロである以上は。
巨人の場合は「常勝を義務付ける」とはっきりと対外に宣言しているところが、他球団とは違う点です。
常勝の礎を築き上げたのは、川上哲治監督のV9時代だと言われていて、川上監督の著書にも「常勝」という文字は何度も出てきます。
この頃の巨人は生まれていませんので、直接知るよしはありませんが、書籍やネット情報によれば、川上監督は選手に教える事はなく、コーチ陣が選手の育成にあたっていたそうですね。
では川上監督は何をしていたのか?ですが、チームマネジメントや人間教育に力を入れていたそうです。
「よく野球人である前に、よく社会人、よき人間であることが大事」
この事を実践し、ミーティングは多かったそうですが、ほとんど野球の話ではなく、教養に充てていたという事です。
川上監督から、長嶋監督、王監督、藤田監督、そして原監督へと脈々と伝えられてきた伝統こそ、巨人の強さであり、ファンが惹きつけられる理由だと筆者は思います。
とは言え、巨人にも黒歴史はたくさんあり、良くない噂や事実も出てきますが、ファンはもちろん失望しますし、怒りを感じる事もあります。
それでも、巨人というチームを立て直すには、原点は「人間教育」であるという事、これを忘れない限り、巨人が巨人であり続けられると思うのです。
2019年は阿部慎之助が引退し、二軍監督に就任していますが、2014年まで小久保裕紀さんから引き継いだ巨人の主将でした。
そこから現主将の坂本勇人選手が務めていますが、阿部さんが引退会見で
「常勝軍団と言われますけど本当にその通り。常に勝って当たり前だと思われて、その中で勝つ難しさを実感して、そこで勝つ、勝たなければいけない。現場でプレーしている選手にしか感じられないことがある。そこは特別」
と語った通り、巨人の選手でなければ、現場の選手でなければ、分からない感覚と言いますか、心情があり、そこにはファンも誰しもが踏み込めないと思います。
これこそが、筆者は「プロフェッショナルマインド」だと思います。
どれだけ批判されようが、何を言われても、現場にいる選手でなければ感じられない空気感、常勝であるが所以のプレッシャー・・
それを感じる側、感じない側であるのは大きな差で、それを知らないうちに安易に語る事ほど、失礼ない事もないと思っています。
筆者は、今までと変わらず巨人を応援する気持ちは全く変わらないです。
またプロ野球全体の発展のために、他球団の良い選手は応援したいし、巨人に欲しいなぁと思う選手は積極的に発信したいと思います。
全ては、これからのプロ野球全体の発展を願ってのもので、その中でも巨人についてはファンとして望むのは
「阿部選手、坂本選手に続く、良き人財を育成してほしい」
という事だけです。
常勝巨人。
プレッシャーをはねのけて、スーパースターの階段を登る選手が、一人でも多く出てきてくれる事を願って、今回のコメント企画の締めくくりとさせて頂きます。
長文、お読みいただき有難うございました。