巨人がメルセデス・ベンツと契約??ではなく、育成契約から2018年に支配下登録を勝ち取り、2019年飛躍が期待されたCCメルセデス選手と2020年も契約更新の意向です。
2017年に海外トライアウトに合格し、ホルヘ・マルティネスと共にジャパニーズドリームを掴めるか、CCメルセデス選手のこれからのジャパニーズドリームを考察していきたいと思います。
CCメルセデス選手のプロフィールと成績
ドミニカ共和国出身、2015年まではレイズ傘下のマイナーでプレーし、先発やリリーフで53試合に登板、2016年には母国のカープアカデミーに入団し、広島カープのユニフォームでプレーするも、日本行きを希望し、巨人のトライアウトを受験。
巨人軍国際部スカウト・大森剛氏はメルセデスを見て「南米の選手では珍しい、日本人のような綺麗なフォームをしている」と日本野球にフィットする可能性を感じて育成契約を決めたそうです。
実はメルセデス選手は25歳と若いですが、妻子持ちのため日本で野球をするならば単身赴任となる上、育成契約では年俸も含めた待遇面で十分では無い事を大森氏は心配していたようです。
しかし、メルセデスは「どうしても日本で野球をやるチャンスがほしいんです!お願いします!」と自らチャンスが欲しいと願い出て獲得に至っています。
ジャパニーズドリームを勝ち取るためには、少ないチャンスでも欲しいと、日本行きを決めたスピリットに大森氏も成功を確信していたかもしれませんね。
出身 | ドミニカ共和国 ヌエバエスペランサ高 |
身長 | 188センチ |
体重 | 82キロ |
CCメルセデス選手の球速と球種
球速は最速150キロ、球種はツーシーム(シュート)、カットボール、カーブ、スライダー、チェンジアップを投げますが、球種別割合を見ると2019年の割合は
- ストレート 60.80%
- スライダー 21.16%
- チェンジアップ 8.05%
- カーブ 5.12%
- ツーシーム(シュート) 4.82%
とストレートとスライダーで主にカウント作り、チェンジアップを決め球としている印象です。
どの球種も制球は良い方なので大崩れしないため、先発ローテーションを一年間守れるだけの力は秘めていますが、課題は「QSもしくはHQSを達成するだけの体力」、「シーズンを通してローテーションを守れる体力」、「対左の被打率を抑える」事です。
ここで、実際のメルセデス選手の主な1軍成績を確認してみますと、
年度 | 所属球団 | 登板 | 勝利 | 敗北 | 勝率 | 投球回 | 四球 | 三振 | 防御率 |
2018 | 読 売 | 13 | 5 | 4 | .556 | 92 | 16 | 53 | 2.05 |
2019 | 読 売 | 22 | 8 | 8 | .500 | 120 | 28 | 89 | 3.52 |
2019年は先発ローテーション入りも、シーズン途中で勝ち星が伸びずファーム調整、調整後は調子を取り戻し、クライマックスシリーズでは7回0封、日本シリーズも5回途中まで完全試合。
と結果を残して、シーズンを終えています。
CCメルセデス選手の3つの課題
先ほども挙げた通り、メルセデス選手の課題は
- QSもしくはHQSを達成するだけの体力がない事
- シーズンを通してローテーションを守れる体力がない事
- 対左の被打率が高い事
が挙げられます。
QSランキングに選ばれる選手になってほしい
まず一つ目の「QS(クオリティスタート)もしくはHQS(ハイクオリティスタート)」ですが、6回3失点以内、7回2失点以内に抑える事を一つの指標としたもので、勝ち星が伸びなくても、イニング数を稼げたり、試合を作る事が出来る投手として評価されます。
メルセデス投手の場合、5回までは快投しますが、6回から球質が悪くなり相手打線に捕まる事も多く、6回途中か7回途中で交代する事が多いです。
先発ローテーション投手であれば、せめて7回を3失点で乗り切って欲しい・・というのが首脳陣の本音でしょう。
今年のQS率ランキングで見ると、9位のヤクルト小川投手(50%、5勝、159回2/3)、10位のタイガース青柳投手(44%、9勝143回1/3)となっています。
また、同じ程度の防御率ではドラゴンズ柳投手(69.23%、11勝、防3.53)、カープ大瀬良投手(64%、11勝、防3.53)です。
メルセデス選手に求めるポイント1
ローテーションを守る投手なら、QSランキングには名前を載せてほしいですし、また同じ防御率で参考にするなら、両者とも170回以上は投球していますので、登板試合のイニング数を1イニング伸ばす事を目指して欲しいと思います。
年間ローテーションを守れる投手になってほしい
二つ目の「シーズンを乗り切るだけの体力がない」ですが、前半戦は途中交代があっても勝ち星を積み上げていきましたが、7月に入り勝ち星が伸びず途中交代が目立つようになり、ファームへ降格。
8月には戻ってきていますが、それでも1ヶ月近くローテーション投手が空けるのは、先発投手の計算が立たないので厳しくなりますので、中5日で回れるだけの体力をつける必要があるでしょう。
メルセデス選手に求めるポイント2
年間のローテーションは守らないと課題1のQS率ランキング入りする事は難しいでしょう。
とにかく怪我なく、一年間左投手の柱として、菅野投手と両輪で一年間活躍をしてほしいと思います。
対左の被打率を.50減を目指せ
三つ目の「対左の被打率が高い」ですが、2019年のメルセデス選手の左右別の成績ですが、
打者 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 |
右打者 | .286 | 280 | 80 | 8 | 48 | 18 | 4 |
左打者 | .302 | 189 | 57 | 4 | 41 | 10 | 1 |
となっていて、右打者よりも高いです。普通は左投手有利と言われていますが、実は先発投手の中には左打者を苦手にしているピッチャーも多くいます。
この事について、元中日ドラゴンズの今中投手は
「サウスポーがスライダーを投げる時に右打者だと膝もとを的に投げられるが、左打者だとその的がなくなってかえってコントロールがしづらい」
と語っていて、的がない分、外への制球がアバウトになっている可能性を指摘していましたが、メルセデス選手の対左へのスライダーが甘く入り痛打される場面は、よく見られます。
あと、個人的な見解ですがメルセデス投手のように、比較的制球が良いと、球が荒れてこないという事で外一辺倒になると、踏み込まれやすいのも原因なのかもしれません。
右バッターにはクロスファイヤーで外に落ちるチェンジアップが使えますが、左だとインコースをしっかりつかないと、外のスライダーは当てられてしまいます。
左打者のインコースへツーシーム(シュート)を投げきる制球力を磨いて、対左の打率を下げてほしいと願います。
メルセデス選手に求めるポイント3
対左の打率を.50抑えて.250台まで落とす事ができるよう、制球と配球を見直して欲しい。カットボール、ツーシームの精度を上げる。
もしくは左の内角をしっかり突いて、多少外に甘くなっても踏み込まれないようにベースを幅広く使って欲しい。
CCメルセデス選手の年俸は爆上げか?
2018年、2019年と結果を残し、2019年オフの契約更改は、期待以上の年俸を得られる可能性があります。
特に25歳と若く、メジャー球団からも狙われる可能性がある事を考えると、単年度ではなく複数年契約も視野に入るのでは??と思われます。
これまでの年俸推移を見ると、
2017年 | 230万 |
2018年 | 500万(支配下登録) |
2019年 | 850万 |
と順調に上げてきていますが、今年はセ・リーグ優勝とクライマックスシリーズ初勝利、日本シリーズも敗退していますが、メルセデス選手は十分な役割を果たしていましたので、プラス査定。
これらを加味すると、相当なアップが期待されますが、2019年の巨人年俸一覧を見ると、
- 吉川尚輝 2,800万(前年1,300万)
- 宮國椋丞 2,620万(前年2,400万)
- 今村信貴 2,600万(前年1,300万)
と今年活躍できなかった選手でも2000万台後半、前年対比200%アップの選手もいますので、メルセデス選手の今季年俸が850万といっても同程度から3,000万程度あってもおかしくは無いだろうと思います。
仮に3,000万までアップとすれば352%アップ!
過去に岡本和真選手が567%アップした事がありますが、500%アップとすれば4,250万!
まさに、ジャパニーズドリームを勝ち取った数字になります。
個人的な査定では、4000万くらい年俸を上げても、メルセデス選手は安心せず、もっと上を目指して頑張ってくれると思いますので、十分な査定をしてほしいなぁと願います。
そして、スッキリと契約更改を終えて、2020年は左のローテーションの柱として二桁勝利とセ・リーグ連覇、日本一奪回目指して活躍して欲しいと願っています。
メルセデス選手と契約合意に至っていますが、年俸が1100万円・・・850万からわずかな増加というところで衝撃を受けました・・・
来季メルセデス選手と共に活躍するか??