2018年前半戦に彗星のごとく表れ、怒涛の11連勝をあげて話題になった千葉ロッテマリーンズのボルシンガー投手。
ファンからは「ボル神ガー」と呼ばれて、グッズ化されたりロッテでも人気でしたが、二年目の今季に成績を大きく落とした事も影響し、千葉ロッテマリーンズを退団する事に。
ボルシンガー側からは、来季も日本でのプレーを希望している事から、一定の実績がある外国人ピッチャーという事で需要のある球団は複数団あると見られますが・・
ボルシンガー投手の来季の移籍先はどこになるのでしょうか?投球スタイルや球種、成績、年俸推移を確認しながら考察したいと思います。
ボルシンガー選手のプロフィールと成績
まずはじめに、ボルシンガー選手のプロフィールですが、
出身地 | ダイヤモンドバックス→ドジャース→ブルージェイズ→千葉ロッテマリーンズ |
身長 | 185センチ |
体重 | 95キロ |
2006年、2009年とアメリカでドラフト指名を受けるも、契約がまとまらず。
2010年にダイヤモンドバックスと契約するもメジャー・デビューなし、ドジャースへ金銭トレード後にメジャー・デビューを果たすも主にはAAAを主戦場に活躍。
ブルージェイズ時代もメジャー昇格後5試合で先発出場も0勝2敗防御率5.61とふるわず、2017年オフに千葉ロッテマリーンズへ移籍しています。
ボルシンガー投手日本での成績
ボルシンガー投手の日本での成績ですが、
年度 | 登板 | 勝利 | 敗北 | 勝率 | 投球回 | 四球 | 三振 | 防御率 |
2018 | 20 | 13 | 2 | 0.867 | 117 | 43 | 84 | 3.06 |
2019 | 20 | 4 | 6 | 0.4 | 103 | 52 | 86 | 4.63 |
来日一年目の2018年は怒涛の11連勝もあり、最優秀勝率を受賞。
2年目も期待されましが、左脇腹の違和感や右足首の捻挫と怪我が相次いだ事も影響し、登板数は変わらない中でも成績は降下しました。
ボルシンガー投手の球種は?
一年目に13勝をあげたボルシンガー投手、二年目が本当の実力なのか?疑問になりますが、一年目の成績は決して実力以上だったわけではないと、筆者は個人的に感じています。
その理由が、球種に答えがあるのですが、日本で使われた球種は
- カットボール 33%
- カーブ 32%
- スライダー 16%
- ストレート(フォーシーム) 15%
- チェンジアップ 3%
- ツーシーム 0.3%
主にこの6つですが、ここで目立つカーブですが「ナックルカーブ」や「高速カーブ」と呼ばれる種類のもので、日本では珍しい球種です。
2019年、阪神のリリーフエースとして活躍したジョンソン選手も同じナックルカーブの使い手という事で成功を収めています。
日本で珍しいナックルカーブの使い手
日本のカーブは、どちらかと言えば直球との球速差を出すために使われるものですが、ボルシンガーのパワーカーブはスピードがあるため、決め球としても使える球種のため、球種割合も高い30%超えです。
一般的にゆるいカーブは見逃しされやすい=カウントを整えにいく球種で使われています。
ナックルカーブのように速いカーブの場合は、見逃しだけでなく、空振りも奪える変化球、スイングをされてもゴロを打たせられる球種でホームランになりにくいというデータも出ています。
スライダーやカットボール全盛期のトレンドから、最近ではパワーカーブ習得を目指す選手も多く、今年巨人でブレイクした桜井俊貴投手も速いカーブを使っています。
ボルシンガー選手は、本塁打が打たれにくいカーブの中でも、ナックルカーブで速く鋭く曲がる球種を武器にしている事が投手としての特徴の一つ目になります。
ストレートもカット系
そして2018年に活躍したもう一つの理由として、「ストレートがシュートせずカットする」ような球道が特徴だというところです。
多くの投手が、ストレートを分析するとシュート回転していますが、ボルシンガー投手の場合は、シュートせずにカットする事もあるため、打者目線で珍しいため打ちづらい球種になっています。
また、ストレートとカーブの球速差はメジャー平均の球速比84%に対して、ボルシンガー投手は89%という事で、見極めがより困難なボールである事が分かります。
怪我がなく、コンディションが整っていれば、打ち崩すのが難しい投手である事は、データ上からは分かりますが・・・
とは言え、怪我をしない強い体を持っている事は獲得是非に大きく関わる事だと思いますので、各球団も慎重に調査を行っている可能性はありますね。
ボルシンガー投手を獲得する日本球団はあるのか?
持っているポテンシャルは高く、一年目にも結果を残しているため、獲得に動く球団は複数談あってもおかしくはないと思いますが・・
一つ目のネックとなるのは、「年俸」です。
ボルシンガー投手の年俸推移
ボルシンガー投手は来日1年目の2018年は9500万(推定)と言われていますが、単年度契約で1億8500万(推定)まで年俸を倍増しています。
今年の成績ではダウンは避けられないと思いますが、それでも1億2000万~5000万近くの年俸を用意しなければいけないと推定されます。
外国人投手に、これだけの補強費を出せるかどうか?が一つの問題になりますので、ある程度資金力のあるチームに絞り込まれる可能性はありそうです。
そこで、ボルシンガー投手の獲得が予想される球団をいくつか推察してみたのですが、筆者としては
- 読売ジャイアンツ
- 楽天イーグルス
- 西武ライオンズ
- 東京ヤクルトスワローズ
この4球団が挙げられるのではないか?と思っています。
理由としては
読売ジャイアンツは、補強ポイントに「先発投手と抑え」を明言していて、FA宣言した美馬投手の獲得が出来なかった事を考えれば、先発投手は計算できる投手が欲しいと思うはずです。
楽天イーグルスは、美馬投手がFA移籍となるため、先発投手を厚くする必要があります。計算できるピッチャーが則本投手、岸投手と二人いますが、若手先発陣の奮闘と外国人投手で補強しておきたいと思うはずです。
西武ライオンズは、ニール投手の残留は大きいですが、若手先発陣が成長してきているとは言え来年以降も活躍するかは未知数。またリリーフ以降も心許ないためボルシンガー加入でオプションを増やしたいと考える事も出来ます。また秋山選手の年俸分は補強資金は使えそうです。
東京ヤクルトスワローズは、とにかく弱体化している投手陣の立て直しは必須です。実績ある外国人投手を獲得し、若手の成長をサポートできる環境を作りたいところです。
ボルシンガー投手が環境を変えてチャレンジという事であれば、セ・リーグ球団への移籍を考えてもおかしくはないですが、同リーグの方がやりやすいとなれば、楽天イーグルスあたりは、良い条件を出してきそうな気もします。
個人的には、巨人入りしてもらいたいと思う投手で、ボルシンガー選手の球種があれば、先発だけでなく、リリーフでも適正があるのではないか??とも感じています。
巨人だと先発、リリーフどちらにも課題があるので、ボルシンガー選手の適性を判断した上で、最適な起用をしてほしいと願いますが・・・
いずれにしても、特に山口俊投手が抜けた穴を埋めるために、実績のある投手はしっかりと獲得していって欲しいと思います。