2020年の巨人は一気に若返りが進む可能性があります!
そのカギを握るのが、ファーストのレギュラーですが、原監督は現時点での構想として
「北村君とか、昨年(2軍で)首位打者だった山下君とか、ナカジ(中島)。まずは捕手で勝負させる大城。この辺は大きなチャンスになる」
とコメントし、ファーストは外国人の補強は並行しているものの、開幕までに圧倒的な結果を残せば、補強せずに開幕スタメンに抜擢するとしています。
ここで名前が挙がった若手が、
- 北村拓巳
- 山下航汰
- 大城卓三
の3選手ですが、大城選手は捕手一本で勝負してほしいと意向なので、実質は若手二人によるサバイバルとなります。
中島裕之選手の名前も出ていますが、昨年の結果や近年の結果を見ると、良くて右の代打の切り札。
年齢から見ても、中島選手がレギュラーを獲るようなチームであれば、新外国人補強をした方が良いでしょう・・となりそうですね。
→ 中島宏之引退の危機!巨人原監督の前で全盛期時を彷彿させる活躍は出来るのか??
北村拓巳選手の魅力はOPSの高さ
原監督や元木ヘッドコーチのコメントを見ていると、首脳陣が重要視しているデータの一つが「OPS」です。
OPSとは、On-base plus sluggingの略で、野球選手を評価するデータの一つで、「出塁率と長打率を足したもの」です。
OPSがなぜ重宝されるか?ですが、単純に数値が高ければ高いほど
- ミート力が高い
- 長打が打てる
事を示すので、本塁打や打点だけで計れない、選手の査定を数字だけ見れば一目瞭然なので、重宝されていると思います。
また、もう一つの意味合いとして「得点係数」と呼ばれる数値とも関連性があるようです。
得点係数とは、数字がどれくらい得点に貢献するのか??という数字を示すもので、1に近づけば近づくほど得点の確率が高まる事を示しています。
得点係数をOPSと打率それぞれを計算すると、
- OPSの得点係数は、0.941
- 打率の得点係数は、0.776
となり、OPSの高い選手の方が、得点能力が高いという事を証明しているので、OPSは打率よりも重宝されるデータと言われるようになったのです。
OPSの目安をまとめると
では、OPSがどれくらい高ければ優秀なの??というところで、大体の目安として7段階に分けているのが、こちらの表になります。
ランク | 評価 | OPS |
---|---|---|
A | 素晴らしい | .9000以上 |
B | 非常に良い | .8334 – .8999 |
C | 良い | .7667 – .8333 |
D | 並 | .7000 – .7666 |
E | 平均以下 | .6334 – .6999 |
F | 悪い | .5667 – .6333 |
G | 非常に悪い | .5666以下 |
あくまで目安ですが、NPBの過去5年のOPS平均を見てみると、
セリーグ | パリーグ | |
2015年 | .672 | .703 |
2016年 | .698 | .706 |
2017年 | .696 | .708 |
2018年 | .730 | .720 |
2019年 | .720 | .717 |
と.700を超えてきていますので、並レベルと数値的には大きな相違がありませんので、7分類はそこそこ妥当性があると分類だと思います。
北村拓巳選手のファームでのOPS
OPSについて理解した上で、北村拓巳選手のデータはどうなのか??を見たところ、
出塁率 | 長打率 | OPS | |
2018年 | .368 | .385 | .753 |
2019年 | .414 | .428 | .843 |
入団2年で、出塁率、長打率共に.400超えと成長の跡を見せてくれています。
2019年のOPSランキング
2019年のセパ両リーグのOPS上位10選手のデータでは、
パ・リーグ | 出塁率 | 長打率 | OPS | セ・リーグ | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
1 | 森 友哉 | .413 | .547 | .959 | 鈴木 誠也 | .453 | .565 | 1.018 |
2 | 吉田 正尚 | .413 | .543 | .956 | 坂本 勇人 | .396 | .575 | .971 |
3 | ブラッシュ | .397 | .540 | .936 | 山田 哲人 | .401 | .560 | .961 |
4 | 山川 穂高 | .372 | .540 | .912 | バレンティン | .363 | .554 | .917 |
5 | 中村 剛也 | .359 | .528 | .887 | ソト | .348 | .554 | .902 |
6 | 浅村 栄斗 | .372 | .507 | .878 | 筒香 嘉智 | .388 | .511 | .899 |
7 | デスパイネ | .355 | .520 | .875 | 丸 佳浩 | .388 | .495 | .884 |
8 | 秋山 翔吾 | .392 | .471 | .864 | ビシエド | .374 | .496 | .870 |
9 | 外崎 修汰 | .353 | .493 | .846 | 岡本 和真 | .343 | .485 | .828 |
10 | 荻野 貴司 | .371 | .470 | .842 | 青木 宣親 | .385 | .442 | .826 |
2019年MVPに輝いた森友哉、坂本勇人両選手はOPS上位の選手ですし、首位打者、ホームラン王、打点王を獲得した選手も、漏れなくOPS上位者に入ってきます。
ただし、OPSは表を見ても分かるように、長打率が高ければ上位に入ってきやすい傾向がありますので、出塁率だけ高くても、OPS上位にはなれないという事になります。
巨人の首脳陣がOPSに注目するという事は、
- ある程度の出塁が見込める事。
- ある程度の長打(本塁打は二桁以上)が見込める事。
が条件になってきそうなので、レギュラー獲りのハードルはかなり高いでしょう。
2020年ファーストは開幕スタメンの大チャンス
OPSの高い選手をファーストに起用するという意向を見れば、打率や出塁だけでなく、ある程度の長打を期待されているという事で、レギュラー獲りのハードルは高いと言いましたが、近年のファーストレギュラーの争いを考えれば、かなり低いハードルです。
その理由は、
- 岡本和真選手のサード固定
- 長打率が高くなる外国人補強が外野手のみ
だからです。
岡本和真選手がレギュラーを獲った2018年を振り返ると、2017年オフにサードとファーストのレギュラーだった村田修一氏、マギー氏を自由契約にしていますが、阿部慎之助選手をファーストで固定するため、岡本和真選手は阿部慎之助選手とのレギュラー争いを演じました。
そして、2019年には2018年メジャーで20本塁打を放ったビヤヌエバ選手を獲得、サードに固定したため、ファーストのレギュラーは岡本和真選手になったため、若手のチャンスは限りなく少なかったです。
ここ2年のレギュラー争いを考えれば、ファーストを守る新外国人の獲得がなく、不動のレギュラーだった岡本和真選手がサードに移動した事で不在になっているわけですから、大チャンスとしか言えない状況になっています。
北村拓巳選手は、このチャンスをモノにする事が出来るでしょうか??
坂本勇人選手の時も、岡本和真選手の時も、チャンスが来た時にワンチャンをモノにしてきていますので、北村選手も近年稀にみる大チャンスを是非とも掴み取って欲しいです。
が、張り切りすぎて、力んだり、プレッシャーを受けたりせず、ファームで培ってきた技術や経験を思う存分発揮してチャレンジしてほしいと思います。
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