大リーグのデトロイト・タイガース所属で主に中継ぎで起用されていたドリュー・バーヘイゲン投手が日本ハムと契約した事がニュースになりました。
バーヘイゲン選手は29歳と若く、リリーフだけでなく先発も出来るタイプで、大リーグでも需要があるタイプの選手のため、今年もメジャー契約と思われていましたが、本人が先発起用を希望しており、日本ハムとマッチした事が、契約に進展した理由のようです。
契約は1年契約で1億1000万プラス出来高がついていますが、金額からしても日本ハムはかなり良い契約をしたのでは?と思われるほどバーヘイゲン投手、個人的には気に入っています。
うまく日本野球に順応できれば、「第二のマイコラス」となり、大リーグへ復帰する事もあるのでは?と思えるほどのポテンシャルを秘めたバーヘイゲン投手について、データを確認して活躍を考察したいと思います。
バーヘイゲン投手のプロフィールと成績
バーヘイゲン投手ですが、テキサス州ロイズシティ出身で、2012年にデトロイト・タイガースからドラフト指名を受けてプロ入り。
主な投手成績ですが、
登板数 | 先発 | 勝利数 | 負け数 | セーブ | ホールド | 勝率 | 投球回数 | 与四球 | 奪三振数 | 防御率 | WHIP | |
2014 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 5 | 3 | 4 | 5.4 | 1.6 |
2015 | 20 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | .1000 | 26.1 | 14 | 13 | 2.05 | 1.22 |
2016 | 19 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | .1000 | 19 | 7 | 10 | 7.11 | 1.84 |
2017 | 24 | 2 | 0 | 3 | 0 | 5 | .000 | 34.1 | 9 | 25 | 5.77 | 1.49 |
2018 | 41 | 1 | 3 | 3 | 0 | 3 | .500 | 56.1 | 19 | 53 | 4.63 | 1.15 |
2019 | 22 | 4 | 4 | 3 | 0 | 1 | .571 | 58 | 23 | 51 | 5.9 | 1.6 |
身長198センチ、体重104キロと迫力のボディーから最速158キロ、平均球速151キロの4シーム、スラッター、カーブ、チェンジアップを使います。
それぞれの平均球速と使用割合ですが、
球速 | 使用割合 | |
スラッター | 136.6キロ | 30.5% |
カーブ | 126.1キロ | 16.3% |
チェンジアップ | 142.1キロ | 0.3% |
2019年は主にスラッターを使っていますが、中継ぎ投手という事もありストレート割合が50%超となっています。
おそらく、日本ハムで先発をする事になれば、ストレートの割合が落ちて、カーブとチェンジアップの割合が増えてくると思われます。
チェンジアップの球速が140キロ超と、かなり高速なチェンジアップですが、イメージとしてはメジャーリーガーでは「フェリックス・ヘルナンデス」投手。
近年では、ストラスバーグ、カラスコ、シャーザー、グレインキー、ダルビッシュが投げている動画集もありました。
高速チェンジアップの特徴としては、
- ファストボールとの見極めが難しい。
- 落ちるというより、急激に「沈む」ように見えるため空振りやゴロを打たせやすい。
と言われているので、バーヘイゲン投手がチェンジアップを決め球の精度を上げる事ができれば、NPBだけでなくMLBでも十分に通用する投手に成長するはずです。
マイコラスの武器は制球とゴロ率の高さ
巨人に3年在籍し、カージナルスでメジャー復帰をしたマイルズ・マイコラス投手。
メジャー復帰後、18勝をあげていきなり最多勝を取りましたが、2018年のマイコラス選手の与四球率は200イニング投げて29四球で驚異の1.3。
巨人入り前年度の与四球率が2.82という事を考えれば大きく改善されています。
また、2018年のゴロ率が49.3%とメジャーの平均44.6%を上回り、ホームランを打たれないピッチャーとして評価されています。
バーヘイゲンのゴロ率は驚異の53.9%
マイコラス選手が成功した理由は
- 圧倒的な制球力で無駄なランナーは背負わない。
- ゴロを打たせる確率が高く、ホームランを被弾しにくい。
事が大きな理由になりますが、バーヘイゲンのゴロ率はマイコラス選手を上回る「53.9%」とメジャーでも上位レベルの数字です。
バーヘイゲン選手がこれだけ高いゴロ率を誇る理由は、筆者は球種にあると思っていて、ポイントとなる球種は
- スラッター
- 高速チェンジアップ
です。
スラッターは、菊池雄星選手が多用することでも知られていますが、2016年、2017年のデータになりますが、菊池雄星選手のスラッターの平均球速と空振り数を調べると、
平均球速 | 空振り数 | |
2016年 | 133.3キロ | 127 |
2017 | 137.2キロ | 217 |
と奪三振率が1.7倍に上がっているというデータがあるように、カットボールよりも曲がる、速いスライダーを使う投手は、日本野球でも増えてきています。
一方で、バーヘイゲン投手の与四球率を見てみると、
与四球率 | |
2019年 | 3.57 |
2018年 | 3.36 |
2017年 | 2.36 |
と年々悪化、キャリアハイと言われる2015年を見ても「4.79」と奪三振数13よりも多い14四球を出しているため、制球難がずっと課題に挙げられてきました。
しかし、先ほど挙げたようにマイコラス選手の例のように、日本野球で細かい制球力を身につける事で、与四球率が改善できれば、圧倒的なピッチングが出来る可能性はあります。
筆者としては
- スラッター
- 高速チェンジアップ
この二種類の変化球のキレが良ければ、日本のバッターは大苦戦すると見ているので、かなり期待感が膨らんでいます。
バーヘイゲン投手の課題はクイックとフィールディング
日本では先発投手として起用されるという事で、メジャーの時よりも覚える事が増えますが、その中でクイックモーションとフィールディングが出来なければ、日本野球では生き残る事は難しいでしょう。
実際、「クイックが得意ではない」という事前の評価もあるので、コーチからクイックの課題を与えられる事になりますが、バーヘイゲン投手なら乗り越えてくれる事を期待したいと思います。
是非とも、第二のマイコラス選手と呼ばれるような活躍を日本ハムで魅せて欲しいですし、バーヘイゲン投手に負けない評価の高い外国人スターターを巨人も獲得してほしいなと願っております。
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