球界のレジェンド、故・金田正一氏から「ダルマさん」の愛称で親しまれていた、巨人の戸根千明選手。
2019年は開幕から中継ぎでフル回転し、26試合に登板、防御率1.99と活躍、プライベートでも元ローカルアイドルNiimoの佐々木舞夕さんとの結婚で、公私ともに順調と思われたのですが・・・
シーズン途中で発症した左肘痛で残念ながら2軍落ち、2018年も左肘痛に悩まされてきた事もあるので、9月に左肘遊離軟骨の除去手術を行いました。
過去5年間で、間違いなく一番状態が良く、首脳陣からの評価も上げてきていたところでの怪我なので、残念ではありましたが、2020年に向けて復活を期待しています。
今回は、戸根千明選手の2020年に向けての課題や活躍予想を、過去の成績や年俸推移を見ながら考察したいと思います。
戸根千明選手プロフィールと成績
まずはじめに、戸根選手のプロフィールですが、
出身 | 石見智翠館高→日本大 |
身長 | 174センチ |
体重 | 97キロ |
父は日本人、母がフィリピン人でハーフの戸根選手ですが、甲子園の出場はないですが、高校通算39本のホームランを放っていて、打撃は嫌いではないようです。
気分転換に行ったロングティーでは130メートル飛ばすという話が出るほどなので、野手も出来る可能性はあるのでしょうか??
大学は東都リーグの二部だったため、スカウトからの注目も集めていませんが、通算12勝14敗防御率1.71の成績を上げていて、巨人では隠し玉としてドラフト2位での指名となりました。
肉体改造は大学時代の先輩がきっかけ
戸根選手と言えば、ダルマさんと言われるくらい胸筋をはじめとする筋肉マッチョが印象的。
高校時代から大きかったのだろう・・と思っていたのですが、意外にも高校時代は72キロほどの体重で、大学2年生の時に先輩からの叱咤激励をきっかけに肉体改造をしたそうです。
食事は1日8食2時間おき、プロテインは海外から取り寄せたもの約10種類を使って筋トレを継続し、1年で85キロまで増量したとの事。
筋トレは失神するまでやる事もあったという伝説があるみたいで、今では胸筋は115センチ、背筋力は300キロを超えるマッチョボディを手に入れています。
球種は、ストレートの最速が150キロ、スライダー、カーブ、チェンジアップと少ないですが、スリークォーターより少し下でサイドスローに近い変則左腕で内角に食い込むクロスファイアーが得意な強気なピッチングスタイルがウリです。
戸根千明選手の入団以降の成績
2014年入団以降の戸根選手の成績ですが、
年度 | 登板 | 勝利 | 敗北 | セーブ | HP | 勝率 | 投球回 | 四球 | 三振 | 防御率 |
2015 | 46 | 1 | 1 | 1 | 6 | .500 | 40 | 18 | 39 | 2.88 |
2016 | 42 | 1 | 0 | 1 | 6 | 1.00 | 36 | 17 | 25 | 4.50 |
2017 | 6 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1.00 | 8 | 4 | 11 | 6.75 |
2019 | 26 | 0 | 1 | 0 | 8 | 0.00 | 22 | 17 | 21 | 1.99 |
ルーキーイヤーから中継ぎで起用されていて、一年目は46試合に登板し、防御率2.88と上々の結果です。
当時は、マシソン、山口鉄也、澤村拓一の3人が60試合以上に登板し、鉄壁のリリーフ陣を形成していましたが、戸根選手もその一員として開幕からフル回転ですが・・
個人的に、戸根選手が出てきたときはいつもヒヤヒヤしながら試合を見ていて、それは今でも変わらないです。
というのも、結果オーライ的なところがあって、三者凡退で退ける事が少ないんですよね・・・
与四球率を計算してみたのですが、
- 2015年 4.03
- 2016年 4.25
- 2017年 4.50
- 2019年 6.95
と年々増加しており、MLB平均の3.20を大きく上回っています。
特に2019年は防御率こそ1.99とよく見えますが、四球、四球・・と続けたあとに、三振、三振・・となる事もあって、評価が難しいピッチャーである事は間違いありません。
常に四球が頭にあるので、大事な場面での起用というよりは、決まった回の頭から投入される事が多い印象です。
コントロールが曖昧と言えばそれまでですが、戸根選手の投球スタイルが内角をどんどん攻めていくスタイルなので、仕方ないと言えばそれまでですが・・
もう少しコントロールが良くなればセットアッパーも担えるほどの選手なだけに、ちょっとだけ残念なような気がします。
自主トレはスコット・マシソンと一緒にカナダで
戸根選手と言えば、マシソン選手と自主トレをすることでも知られていますが、鹿や猪の猟を行うトレーニングやフィジカルトレーニングに励んでいましたが・・
マシソン選手は今年で巨人を退団しますので、今後の自主トレは国内で行うのでしょうか?
マシソン選手は、鹿や猪よりもハードなトレーニングを課し、戸根選手を追い込んでいたようなので、これからは戸根選手がマシソン選手のように後輩をしごく立場になってほしいところですね。
皆さん日本はどうですか?
僕はアメリカで怪物と毎日闘っています。
その怪物は僕を失神する寸前まで追い詰めてきます。
その怪物はいつも長いそしてとてもハードなトレーニングを行います。
怪物とは意外と近くにいました。
猪でもなく、熊でもなく、その怪物は、巨人の背番号20番です。— 戸根千明 (@aparente1017) 2015年12月14日
戸根千明選手の年俸推移は
次に戸根選手の入団後の年俸ですが、
年 | 年俸(推定) |
2019年 | 1500万円 |
2018年 | 2000万円 |
2017年 | 2500万円 |
2016年 | 2400万円 |
2015年 | 1200万円 |
2018年の登板ゼロが響いて、年俸が一年目に近いところまで戻ってきていますが、今年は前半戦の活躍をどう査定するか?ですが、個人的にはマイナス査定になるのでは?と思っています。
やっぱりプロで一年間ずっと活躍をして評価されるべきだと思いますので、良くて現状維持、厳しくいけばマイナス査定というのが、個人的な考えです。
ただ、現状維持って実は一番厳しい評価だと思っています。
「普通」という評価に甘え、現状維持をしようと思ったところから衰退は始まりますので、戸根選手にはそのような選手で終わってほしくないという気持ちを込めて、マイナス査定での奮起を期待したいと思います。
契約更改が行われて、500万アップの2000万円です。戸根選手のポテンシャルでは安すぎると思うので、まずは一年間一軍で活躍し続ける事。そのために怪我を完治させて下さいね!
このオフはやり投げにも挑戦するとの事なんで、しっかりレベルアップした元気な姿で、キャンプからアピールしてほしいですね!
戸根千明選手が2020年活躍するためには
戸根選手は怪我の影響もあり、年々成績降下と登板数減少となっていますが、中継ぎの左エースという立場を築いてほしいと願い、2020年は50試合登板を目指して欲しいと思います。
特に、2020年は田口麗斗選手は先発へ戻る可能性があり、中川皓太選手がいるものの、左のロングリリーフが出来る選手は少ないため、戸根選手には期待したいところです。
そのためには、「変化球の精度を上げる事」が一番だと、筆者は思います。
特にウィニングショットでよく使われるチェンジアップの精度が悪く、高めに浮くので三振を奪えない・・・
あれだけのストレートと変則的なフォームがある中で勿体ない・・と感じますので、是非とも自主トレから患部の状態を上げていって、キャンプでは万全の状態で臨んでほしいと思います。
以上、巨人の中継ぎを筋肉で支える、戸根千明選手の紹介でした、また随時情報が出てくれば追記していこうと思いますので、なにかありましたらコメントやTwitterなどを頂ければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
左のエースになってほしい田口選手です!