昨年の巨人は育成出身の支配下登録された選手が3人と、チャンスをモノにしてきた選手も多かったのですが、それだけ近年のドラフトでは育成ドラフトの重要性が増しているという事が言えます。
巨人の育成ドラフトは、山口鉄也、松本哲也選手など、1軍の主力に成長した実績もありますので、支配下登録からチャンスを拡げて、1軍で活躍してほしいと願いますが、支配下登録後すぐに1軍デビューを果たしたのが加藤脩平選手です。
今回は、加藤脩平選手の評価はどんなものなのか?ファームでの打撃や守備の成績、年俸などの評価を見ながら考察していきたいと思います。
加藤脩平選手のプロフィール
はじめに、加藤選手のプロフィールですが、
出身校 | 磐田東高等学校 |
身長 | 178センチ |
体重 | 79キロ |
高校通算28本塁打、50m6秒00の俊足強打の選手、また投手としては140キロを超すストレートを投げる身体能力の高さでいわゆる二刀流として活躍していました。
二刀流の能力の高さは、西武ライオンズに入団した鈴木将平選手についで東海地区で評価を高めていたとの事ですが、ドラフト指名には至らず、2016年の育成ドラフト2位で指名されています。
入団後の評価は、当時の川相昌弘監督が
「左を苦にしない選手」
「ほとんど故障しない身体の強さがある選手」
「度肝を抜かれた強肩」
と評価しており、これだけの逸材がなぜ育成ドラフト??という疑問ですが、完全な素材型でトータルバランスで見た時に時間がかかると思われているからですが・・・
加藤選手の場合も素材に光るものがあっての指名ですが、入団3年目にして支配下登録なんで、高卒新人として考えれば、コスパよく選手を獲得できていると言えそうです。
加藤脩平選手の主な2軍成績
続いて、加藤選手のファームでの成績ですが、主な打撃成績を年度別で紹介したいのですが、
打率 | 試合 | 打席数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | BB/K | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
2018 | .063 | 14 | 20 | 1 | 1 | 2 | 0 | 4 | 1 | 4.00 | .250 | .250 | .500 |
2019 | .269 | 85 | 306 | 76 | 6 | 34 | 7 | 19 | 59 | 0.32 | .317 | .410 | .727 |
2018年から試合に出場しはじめていますが、2018年はプロ初ホームランの1本のみでしたが、2019年は本塁打を6本放ち、自慢の脚力で機動力を使って7盗塁決めています。
1年通じると、四球数が少なくBB/Kが低いですが、4月時点では打率.352、出塁率.397、長打率.630と絶好調だった事もあり、一軍の練習に呼ばれ練習中から広角打法を見せた事で、原監督から戦力になると判断されての支配下登録です。
当時のコメントは、
「左の外野手として肩も強いし、パワーもある。この前の練習もよかったし、ぜひ1軍の戦力として
支配下にいれてくださいとお願いし、球団も快く了解してくれたということですね」
と原監督も加藤選手の素質には評価をしているので、守備の評価は一軍級に達しているので、力強い打撃をどこまで磨けるか?が1軍で活躍するカギになります。
加藤脩平選手は丸佳浩二世なの?
打撃面で言うと、加藤選手は丸選手が取り入れている「ヒッチ打法」を取り入れていて、丸選手の動画を研究したり、直接丸選手に教えを乞うなど、丸マニアとしても知られています。
一般的にヒッチ打法は、
- 肩の力が抜けやすい
- 深いトップを作りやすい
というメリットがあると言われていますが、加藤選手は丸選手と同じで右足を大きく上げて打つフォームなので、右足を下ろした時にトップを残しておくためにヒッチを取り入れていると思います。
→ 丸佳浩選手の年俸は現状維持!話題のツイスト打法は封印しても、成績は爆上げの予感!
丸佳浩選手が使う肩乗せ打法は取り入れていない
一方で、丸選手は構えた時にバットを肩の上に載せて寝かせる構え=肩乗せ打法で構えるのに対し、加藤選手は福留孝介選手のようにバットを立てて動かす構えです。
丸選手も以前までは、福留選手のようにバットを立てて構えていましたが、2016年に石井コーチの奨めもあって大きく変化していき、今の形に行き着いています。
フォームに関して前田智徳氏が丸選手と対談でも話していましたが、バッティングはフォームが重要というわけではなく、トップの位置を作れるかが重要で、そのために構えが変わるという事を言ってました。
加藤選手にとっては今の上半身のフォームがトップを決めやすいという事なのかも知れませんね。
また、丸選手や阿部選手も使っている肩乗せ打法は、バットを立てて構えるフォームよりも腕の負担が大きいと言われているので、加藤選手の身体能力を考えると、現時点では難しいのかも知れません。
この辺は、今後身体が大きくなったり、自分自身の身体能力と相談しながら最適なフォームを探していく事になるかもしれませんね。
加藤脩平選手の守備評価は1軍レベル
打撃面での課題が多い加藤選手ですが、守備に関する評価はとても高く、最近のスポーツ報知でも川相昌弘氏が
加藤脩は2軍できっちり結果を残した。彼は守備、特にスローイングがいい。重信より肩の強さとコントロールは上だと思っている。ライトもレフトもファーストもできる。
と評価しています。
ファームでの守備データも
試合数 | 刺殺 | 捕殺 | 失策 | 守備率 |
79 | 138 | 4 | 2 | .986 |
と松原聖弥、村上海斗選手の捕殺6に次ぐ捕殺数を記録し、高い守備率を誇っています。
加藤脩平選手の年俸や背番号の推移
次に加藤選手の年俸と背番号についてですが、
年 | 年俸(推定) | 背番号 |
2020年 | 460万円 | 94 |
2019年 | 420万円 | 94 |
2019年 | 420万円 | 002 |
2018年 | 250万円 | 002 |
2017年 | 240万円 | 002 |
育成選手の002から、2019年の支配下登録に伴って「94」を背負う事になっていますが、年俸も支配下登録された事で大幅にアップしていますので、これから1軍レギュラーに定着して、年俸もどんどんアップしてほしいなと願ってます。
加藤脩平の2020年期待するところ
ここまで見てきた通り、加藤選手の身体能力を考えると、まだまだ打撃力は伸びるでしょうし、中距離打者として広角に打ち分けられる巧打者へ成長する事が期待できますが・・・
打撃面で言えば、四球を選ぶ事が少ないので、出塁率が低いので、俊足巧打の1番を目指す場合は出塁率がネックになりそうです。
当面のライバルとなるのは、同じく支配下登録された山下航汰選手、重信慎之介選手、石川慎吾選手、松原聖弥選手あたりになります。
いきなりレギュラー獲りは難しいとしても、準レギュラーとして守備固めや代走から結果を出していき、出場機会も増やして欲しいと願ってますので、キャンプからの活躍を期待しています。
同じ外野のレギュラー争いの若手です。