2019年ドラフト会議、甲子園準優勝投手の星稜奥川恭伸を抽選で外し、社会人ナンバーワンピッチャー宮川哲を抽選で外し、外れ外れ1位で巨人に入団する事になった堀田賢慎投手。
正直なところ、会議前の情報で堀田選手をドラフト1位で挙げているスポーツ紙はありませんでしたし、「誰??」と思ったくらい無名な選手ですが、巨人のドラフト1位ですから時の人になったのは間違いありません。
今回は、筆者自身もあまり知らなかったドラフト1位堀田選手の魅力やこれからの成長について、スカウトや評論家の評価から考察していきたいと思います。
堀田賢慎選手のプロフィール
まずはじめに、堀田選手のプロフィールですが、
出身校 | 花巻北中学校→青森山田高等学校 |
身長 | 185センチ |
体重 | 80キロ |
契約金 | 8000万 |
年俸 | 800万 |
背番号 | 32 |
2年の冬から3年夏にかけて食事量を6食まで増やした事で、体重が7キロ増加し、力強さを増した事から球速も最速138キロから151キロまで伸ばす事に成功しています。
担当した柏田スカウトも
「185センチの長身から投げ下ろす本格派右腕。肩・肘の柔軟性を活かしたしなやかなフォームから投げ込む最速150キロ超の直球は魅力。一冬で球速が10キロ近く伸びたように大化けの可能性を持ち合わせている」
と、まだまだ未完成でノビシロが十分という事もあって、評価が二分される投手ですが、完成型の奥川恭伸投手に比べれば、佐々木朗希選手と共にこれからどれだけ伸びるか??素材型として楽しみなピッチャーだと言えます。
甲子園には出場した経験がありませんが、3年春の公式戦では4試合26.2イニングで2失点と圧巻のピッチングでスカウトからも注目されましたが、体重が増えたといってもまだ80キロです。
身長がこれから伸びる可能性もありますし、まだまだ投げている姿を見ても線の細さを感じますので、プロで戦える体作りにしっかり取り組んでほしいと思います。
伸びしろに期待したい。 https://t.co/2orgx2CNUz
— たーくん@巨人愛溢れる二児のパパ (@takun_baseball) 2019年12月13日
堀田賢慎選手の評価は?球種と合わせて紹介
堀田選手のスカウトからの評価ですが、
巨人の長谷川部長は、
「体が大きいけど、柔軟性としなやかさがある。指も長いし、フォークとかも覚えられると思う。まだまだ潜在能力はこんなものではない」
と最大級の評価をしていて、新しい球種にフォークボールを勧めているそうですが、フォークボールは指が長いと握りの深さを変えれたり、指の広げる角度を色々変える事が出来るので有利だと思います。
OBの上原浩治氏も、本格的にフォークボールを操り始めたのはプロ入り後ですし、ウィニングショットとして成功しましたので、堀田選手も可能性を拡げてほしいと思います。
また、流しのブルペンキャッチャーとして知られている安倍昌彦氏が、
「直球の回転音が美しい」
「力を入れて投げようとし過ぎないのがいい。そこまで力感がないのに、ボールの推進感がすばらしい。」
と表現するように、伸びやかな直球は、すでにプロでも通用する可能性がありますが、課題は変化球の精度とキレです。
今のところ、スライダーとカーブのみを使うみたいですが、抜けた球も多く、変化球のキレも曲げすぎようと力んでいるためか、まだまだプロレベルでは無いという評価です。
フォークボールはじめ、自分に合った変化球は、プロ入り後にコーチからアドバイスもらう事でいくらでも磨き上げる事ができます。
それよりも、身体づくりや直球の質を高めるのは天性的なところが大きいですので、スカウトが惚れたポテンシャルが開花する事を願っています。
堀田賢慎選手の考え方が大人なところが良い
ポテンシャルの高さは、身体や直球の質だけではなく、筆者が惚れたのは「考え方」が素晴らしいと思った点です。
インタビューの中で、球速が伸びたのは何が要因?と聞かれた際に
「トレーニングの方法にすごく興味があって、他の競技のアスリートのトレーニング法とか、メジャーのトレーニング法とか、ネットで勉強して、自分で試して、取捨選択して。」
「メディシンボールぐらいの重い物をスピーディーに移動させるトレーニングが一番効いたように思います。」
と18歳ながら、自分の考えをしっかりと持っている点や自分に合うものを取捨選択できる、周りに流される事がない性格が、プロ向きなのでは無いかなと感じています。
堀田賢慎選手2020年の活躍は?
堀田投手ですが、巨人は即戦力ではなく2~3年じっくりと育成しようと考えているため、来年は主にファームで身体づくりと実戦経験を積むことになりそうです。
個人的には、大谷翔平選手が一つのモデルケースになるのでは?と思っていて、大谷選手は高校卒業時の身長が187センチ、86キロでしたが、入団後も身長が伸び続け、肉体改造を行った結果、193センチで93キロというがっしりしたボディーに生まれ変わっています。
堀田選手も一冬を超えて体重が7キロ増加したように、新人自主トレまでにまた身体が大きくなっている可能性もありますし、プロ入り後のトレーニングで身体も出来上がっていくかもしれません。
早ければ、戸郷翔征選手のようにペナント終盤でチャンスがもらえる可能性もゼロではないでしょうし、焦らず、じっくりと育ててほしいと思います。
そんな中で堀田選手の2020年の活躍を予想したいのですが、モデルケースとして巨人からは田口麗斗選手、戸郷翔征選手、そして同じ東北出身という事で大谷翔平選手の1年めで比較してみたいと思います。
田口麗斗 | 戸郷翔征 | 大谷翔平 | |
試合数 | 7 | 11 | 5 |
防御率 | 1.75 | 3.00 | 3.32 |
勝利 | 2 | 4 | 0 |
敗北 | 0 | 1 | 2 |
投球回 | 25.2 | 42 | 19 |
与四球数 | 5 | 8 | 10 |
与四球率 | 0.198 | 0.190 | 0.52 |
奪三振数 | 18 | 44 | 22 |
奪三振率 | 0.714 | 1.047 | 1.150 |
試合数を考えると、前半はファームで体作りを行い、プロに慣れてきた後半からローテーションで回りはじめて実戦経験を積んでいると思われます。
特に戸郷選手の場合は、ドラフト6位での指名という事もあり、ドラフト1位の高橋優貴選手ほどのチャンスがない中ですから、堀田選手も一軍デビューのチャンスはゼロではないでしょう。
大谷翔平選手ですら、一年目はじっくりファームで育てていますので、焦らず後半戦で出てくればラッキーくらい、大きな気持ちと長期的なプランで育成をしてほしいと願います。
その意味も込めて、個人的にはファームで
堀田賢慎 | |
試合数 | 10 |
防御率 | 3.5 |
勝利 | 5 |
敗北 | 3 |
投球回 | 35 |
与四球数 | 10 |
与四球率 | 0.28 |
奪三振数 | 35 |
奪三振率 | 1.00 |
1軍デビューはペナント終盤で2~3試合ほど先発で登板、初勝利を挙げる事があれば最高かなという何の根拠もない予想をしておきたいと思います。
堀田投手を入団前のこの時期に語るのはとても難しいですし、これから新しい歴史をたくさん刻んでいってくれる投手ですから、これからも堀田選手を追いかけて情報を追記していきたいと思います。
是非とも、巨人の次期エースの座に登り詰めて、満員の東京ドームで素晴らしいピッチングを見せて欲しいと思いますので、応援しています!
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