巨人の背番号51と言えば古城茂幸選手・・ではなく、今は若手有望株の田中俊太選手ですが、2019年は全体的な成績が下降しましたが・・
先日の契約更改では100万円アップで更新しています。
個人的には、ちょっと甘やかしてるかな??優勝した祝儀査定かな??
と思うところもあるのですが、田中俊太選手には、兄の田中広輔選手のように不動の一番となってほしいという思いから厳しく言わせて頂きたいと思います。
今回は、吉川尚輝選手と同じくらい期待をしている田中俊太選手について、2020年以降の課題を過去の成績やデータを見ながら考察していきたいと思います。
田中俊太選手のプロフィールと成績
まずはじめに、田中俊太選手のプロフィールですが、
出身校 | 東海大学付属相模高等学校→東海大学 |
身長 | 178センチ |
体重 | 80キロ |
2010年、2011年の夏の甲子園に出場、2年生で準優勝、3年生では優勝を経験しているサラブレッドで、原監督の後輩にあたります。
同級生には、菅野剛士、渡辺勝選手が、一つ上の学年には阪神を引退した一二三慎太選手や同僚の大城卓三選手がいます。
大学では、3年生の全日本大学野球選手権大会で優勝、社会人は日立製作所へ就職し、2016年の都市対抗野球大会では準優勝に貢献、2017年には社会人日本代表のセカンドレギュラーとして活躍し、巨人のドラフト5位指名を受けています。
兄は、広島東洋カープのレギュラーショートの田中広輔選手、東海大相模高から東海大学へ進学、JR東日本と俊太選手と同じような経歴を持っていますので、まずは兄超えを目指して欲しいところです。
田中俊太選手の主な打撃成績
ここで、田中俊太選手の主な打撃成績を紹介しますと、
試合 | 安打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 四球 | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS | |
2018 | 99 | 55 | 2 | 73 | 12 | 6 | 0 | 23 | 41 | .241 | .320 | .311 | .631 |
2019 | 62 | 35 | 4 | 54 | 14 | 2 | 0 | 14 | 36 | .224 | .346 | .285 | .631 |
とルーキーイヤーよりも出場試合数を減らしています。
特に、今年は吉川尚輝選手が腰痛で離脱したため、チャンスがあっただけに、レギュラー取りできなかったのは痛いところです・・・
守備位置は、セカンドとサードが出来ますが、レギュラーを狙うのであれば「セカンド一択」で良いと思いますので、吉川尚輝選手のライバルになれるように、オフの期間はしっかりと準備を整えて下さいね。
守備位置は違いますが、兄田中広輔選手とタイプ的には似ていると思いますので、広輔選手の主な打撃成績と比較してみると、
試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 四球 | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS | |
2014 | 110 | 86 | 9 | 34 | 10 | 3 | 24 | 68 | .292 | .434 | .348 | .782 |
2015 | 141 | 149 | 8 | 45 | 6 | 7 | 34 | 105 | .274 | .413 | .325 | .738 |
2016 | 143 | 154 | 13 | 39 | 28 | 19 | 77 | 119 | .265 | .372 | .367 | .739 |
2017 | 143 | 164 | 8 | 60 | 35 | 13 | 89 | 120 | .290 | .407 | .398 | .805 |
2018 | 143 | 150 | 10 | 60 | 32 | 13 | 75 | 118 | .262 | .383 | .362 | .745 |
2019 | 97 | 60 | 3 | 27 | 8 | 3 | 32 | 89 | .193 | .264 | .268 | .532 |
一年目からコンスタントに試合に出続けており、パンチ力と走力が高いオールラウンダーとして活躍しているのが成績からも分かります。
2019年こそ不振に陥って、小園海斗選手にレギュラーを奪われたり、ファーム落ちしていますが、3連覇を果たした時の「タナキクマル」は脅威でしたので、来季の復活を期待しています。
やっぱり、菊池選手も丸選手も、田中輔選手がいるからこそ活きてきた選手だと思いますので、チームとして一番バッターが固定されてハマるというのは、とても重要な事だと改めて気付かされます。
巨人のウィークポイントは1番と5番
今年の巨人は、2番、3番、4番はある程度固定して戦う事ができたのに対し、1番と5番を固定するのに苦労し、1番は亀井善行選手が出てきたから良かったものの、亀井選手が離脱すれば大変な事になっていたはずです。
また、岡本和真選手の後を打つ選手として、大城卓三選手が5番で起用されましたが、持ち前の長打力が発揮できなかったので、阿部慎之助選手が務める事も多かったです。
実際、岡本和真選手の打率が、阿部慎之助選手が5番に入るのと入らないのでは
5番に入った場合の打率 .322
と、レギュラーシーズンが.265だった事を考えれば、大変高い数字を上げています。
しかし、阿部選手は今年で引退する事になりますので、岡本和真選手の後を誰が打つのか??は課題になりそうです。
ただ、5番は割と打てる候補がいて、外国人バッター、亀井善行、陽岱鋼、大城卓三と名前を挙げる事は出来ます。
が・・
やはり、問題は「一番バッター」です。
近年の巨人の一番バッターと言えば、
- 坂本勇人
- 長野久義
二人が務める事が多かったのですが、筆者的には高橋由伸選手の一番の時のような圧倒的な攻撃力がなければ、「一番バッターは足の速い選手」にしてほしいと思っているため、坂本選手、長野選手はタイプではないと考えています。
その点、去年にブレイクの兆しを見せ始めた吉川尚輝選手、今年はおおいに期待してましたし、巨人の長年の懸案事項である
- セカンドのレギュラー
- 一番バッターの固定
の2つを一気に解消できるのでは?とワクワクしたものですが、残念ながら夢に終わってしまいました・・
ただ、吉川尚輝選手が怪我で離脱した時に、繰り返しになりますが、田中俊太選手はかなりチャンスがあったはずです・・
ここでチャンスをモノにできれば、吉川尚輝選手で果たせなかった懸案事項が、ある程度解消できる目処が立つ・・
と思ったのに、春先は残念ながら不振、ファーム調整・・・そこから山本選手、若林選手、増田選手と日替わり起用と毎年見る光景・・
交流戦前後は、同じく2018年ドラフト6位で指名された若林晃弘選手が打ちまくって、ついには一番バッターまで務めましたが、一番バッターになった途端に急下降・・
とセカンドの守備は無難にこなしていましたが、レギュラー定着といかずで残念でした。
モノは捉えよう
と思えるのであれば、巨人は未だセカンド問題を解消できていない、FA補強も進まなかったことを考えれば、若手にチャンス枠があるわけです。
2020年こそチャンスを掴む若手が出てこなければ、巨人もセカンドの補強としてFAの目玉選手「山田哲人」獲得に動く可能性は大いにあると思いますので・・・
最後のチャンスだと思って、結果を出して欲しいところです。
課題の打撃 NOIに注目してみた
あとで紹介する守備は、セイバーメトリクス上でもなかなか良い数値を出していますが、課題は圧倒的に「打撃力の向上」にあると思います。
出場試合数を増やす事ができれば、盗塁数も伸びてくるはずですし、走力もそこそこあるはずなので、兄のような結果を残せるポテンシャルはあると思います。
そこで、バッターの質を計るセイバーメトリクスのデータの一つである「NOI(New Offensive Index)」に注目してみたところ、
NOI | |
2018年 | 417.48 |
2019年 | 400.27 |
でした。
NOIは、(出塁率+長打率÷3)×1000
で計算できる数字で、450以上ならば平均的な打者、550以上ならば主力級の打者、600以上ならば一流打者と言われていますが、俊太選手は平均以下・・
ちなみに兄の広輔選手は、
NOI | |
2018年 | 489.36 |
2019年は不振のため数字は出しませんが、広輔選手ほどの選手でも550の主力級には届きませんが、これはおそらく長打率が影響していると思います。
それでも、500近くは出していますので、出塁率が高く、貢献している証拠だと思いますので、打てないのであれば、出塁率を少しでも高めるために四球が取れる粘り強いバッターに成長してほしいところです。
石井琢朗コーチが救世主になるかも?
巨人の若手に朗報なのが、秋季キャンプでも話題になったように、野手総合コーチに広島→ヤクルトで打撃コーチを務めてきた石井琢朗コーチが、巨人にやってきた事です。
広島カープの三連覇を支え、タナキクマルを鍛え上げた、ヤクルトでは村上選手を覚醒させた手腕は、かなり評価が高いです。
秋のキャンプでも早速コーチング能力の高さをみせていましたので、春にかけて若手選手がどれだけ伸びるか・・今から楽しみです。
プロ通算2432本の安打を放った選手が実演で見せてくれながら教えてもらえるわけですから・・これ以上にない手本になりますよね。
田中俊太選手の守備は評価が高い?
次に守備に関する評価ですが、UZRとRngR(守備範囲)のデータがありましたので、紹介したいのですが、
UZR | UZR1000 | RngR | |
2018年 | 7.5 | 18.4 | 6.8 |
それぞれの数値は高ければ高いほど、守備が上手、守備範囲が広いという事を示しますが、同じ指標を菊池選手、山田選手、吉川尚輝選手も出してみると、
UZR | UZR1000 | RngR | |
菊池涼介 | 9.6 | 7.9 | 0.2 |
山田哲人 | 8.7 | 7.1 | 9.0 |
吉川尚輝 | 7.8 | 13.6 | 5.8 |
田中俊太選手の数字は、セカンドの名手と比較しても、データ上は「悪くない」んですよね。
むしろ、UZR1000だと圧倒的に良い数字が出ています。
※UZR1000は、守備イニング数を揃えてUZRを算出している数字です。
2019年は規定打数未満という事でデータがありませんでしたので、2018年のデータのみの紹介とさせて頂きますが・・
広い守備範囲をまかなえて、かつ守備でも貢献できる力は十分にある選手という事は、データ上からもはっきりしています。
その他の主な守備成績ですが、
試合数 | 失策 | 守備率 |
39 | 3 | .979 |
巨人で俊太選手よりもセカンドを守った、山本選手と若林選手は
試合数 | 失策 | 守備率 | |
山本 泰寛 | 48 | 5 | .979 |
若林 晃弘 | 58 | 9 | .967 |
とほぼ変わりません。
田中俊太選手の年俸と背番号の推移
次に、俊太選手の年俸と背番号の推移ですが、
年俸(推定) | 背番号 | |
2020年 | 1700万円 | 51 |
2019年 | 1600万円 | 51 |
2018年 | 800万円 | 63 |
ルーキーイヤーの活躍が評価されて、巨人の51番を背負う事に。
守備位置は違いますが、セカンドで「巨人のエリア51」と呼ばれるくらい、守備で魅せてくれる選手になってほしいところですが、吉川尚輝選手を超える事ができるでしょうか?
今からライバル争いが楽しみです。
田中俊太選手の2020年はチャンス??
ここまで課題の打撃と守備について、データを交えながら紹介してきましたが、どう考えても俊太選手にとっては「チャンスしかない」状況です。
吉川尚輝選手は怪我を完治させて、オフからキャンプに向けて準備をしていますが、原監督は外野での起用も視野に入れるほど、慎重な姿勢は変えていませんし、本人も出場数を増やすためにセカンドにこだわらないと言っています。
正直、それはそれで勿体ないし、悲しいですが・・怪我をされては吉川選手のポテンシャルも発揮出来ないので致し方ないところはあります。
他のレギュラー候補と言えば、
- 山本泰寛
- 若林晃弘
と二人いますが、今年を見ていても、田中俊太選手と「どんぐりの背比べ」の印象は拭えませんので、他の選手の台頭が望まれるところです。
他にも、台風の目として、
- 湯浅大
- 増田陸
この二人が出てくる可能性もあるんじゃないか??特に増田陸選手はウィンターリーグでも良いバッティングしていますので、楽しみな選手です。
オフの自主トレでは憧れの坂本勇人選手に付いて学ぶそうですし、ここでレベルアップすれば、ショートではなくセカンドでのレギュラー取りもあるかもしれません。
できれば一番バッターは左打者が良い
ただ、筆者としては、一番バッターの条件は
- 俊足
- 四球を選べる選球眼
- 左バッター
の3つを揃えて欲しいと思っています。
オーダーのバランスを見れば、左バッターを一番に置けるのは大きいですし、盗塁や走塁が上手い野球脳の高い選手が一番バッターにいれば、攻撃力は更に高まるはずです。
そう考えると、候補の優先順位は、
かな??と思いますが・・・2020年1番バッターとセカンドのレギュラー争い。
今から楽しみにしておきたいと思います。
以上、田中俊太選手のポテンシャルを期待しての考察となりますが、今後も俊太選手に関する情報は随時更新していきたいと思います。
何かお気づきの点があれば、コメントやTwitterなどで頂ければ幸いです。