春季キャンプも4日の紅白戦を皮切りに本格的なサバイバルがはじまりましたが、8日の紅白戦には桜井俊貴、田口麗斗選手が2イニングずつ登板します。
先日の紅白戦で戸郷翔征選手が結果を残し、先発ローテーション入りへ前進した事もあり、二人共気合充分といったところですが、田口麗斗選手は2年連続二桁勝利をあげた実績もあり、今年は先発ローテーションで活躍が期待されますが・・
桜井俊貴選手に至っては、昨年8勝をあげたとは言え、ペナントレース終盤には打ち込まれたり、クライマックス、日本シリーズで結果を残せませんでしたので、少し不安があります。
実質、二年目にあたる桜井俊貴選手がぶち当たる壁は厳しいものでありますが、桜井選手の昨年の傾向からみて、課題はどのあたりにあったのか?を考えていきたい思います。
桜井俊貴選手の2019年投球内容
桜井投手の投球割合と球種ですが、
平均球速 | 使用割合 | |
ストレート | 144キロ | 46.93% |
カットボール | 17.40% | |
チェンジアップ | 13.83% | |
カーブ | 21.57% | |
フォーク | 0.05% | |
スライダー | 0.22% |
(平均球速はデータを見つけ次第、更新します。)
2019年はストレート、カーブの緩急と、左右にカットボール、左打者にチェンジアップを投じるのが基本スタイル。
オフの間には、スライダーとカーブの中間ボールとなるスラッターの習得を目指しているとニュースされていましたが、まだキャンプでは調整段階で見られません。
先日のシートバッティングでは、ストレートのみを38球投じて、安打性のあたりは3本に抑え込み、順調な様子が伺えました。
明日の紅白戦次第かな。 https://t.co/8saJ1iPcgE
— たーくん@巨人愛溢れる二児のパパ (@takun_baseball) February 6, 2020
被本塁打率の高さが課題
自軍の選手とは言え、成長著しい吉川尚輝、若林晃弘のバットをへし折って、球威で押すスタイルは今年も見られそうですが・・・
一方で、心配なのが「被本塁打の高さ」で昨年は12本塁打打たれていますが、その中でストレートが7本と被本塁打率の高さが気になります。
元々、シュート回転しやすい選手なので、外角低めに投じた球が真ん中よりに流れてくる事は、昨年観戦していても良くあるケースでした。
それでも、原監督が
「なんとなくこう、荒々しさが出ていて、いいと思いますね。敵に投げる時もああいう感じでね、あれが持ち味、長所だよ」
と言う通り、桜井投手の持ち味は、相手に向かっていく気迫があるピッチングで、投げ終わった後も向かってきているかのようなピッチングフォームは、鬼気迫るものを感じましたが・・
軸足がブレたり、投球後の守備にスムーズに移行出来ない欠点もあると思いますので、2020年は抜きどころと勝負どころを上手く使い分ける、大人なピッチングスタイルを見せて欲しいなぁと思います。
ストレートの空振り率が低い
そしてもう一つ、ストレートの空振り率ですが、昨年のデータを見ると4%台と他の球種に比べて圧倒的に低い数値になっています。
球種 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 |
ストレート | .320 | 178 | 57 | 7 | 21 | 30 | 4.09% | 19.06% |
カットボール | .280 | 75 | 21 | 2 | 7 | 12 | 8.52% | 15.46% |
チェンジアップ | .232 | 69 | 16 | 2 | 6 | 15 | 15.87% | 9.13% |
カーブ | .169 | 89 | 15 | 1 | 8 | 25 | 13.49% | 24.68% |
フォーク | .000 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00% | 0.00% |
スライダー | .000 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25.00% | 25.00% |
今年のテーマとして、速球の威力が増すように、なるべくバッターに近い位置でボールを離すことを意識しているとの事なので、ストレートで空振りが取れるようになってくれば、桜井投手の理想とする投球に近づいていると見ても良いかも知れませんね。
ストレートの四球が多い
もう一つデータで感じるのが「ストレートの四球が多い」という点です。
攻めた結果四球が増えるのはたしかにあるかもしれませんが、それで良しというわけではなく、やっぱり野手のリズムを考えると四球は減らして欲しいところです。
左右の被打率を見ると右に課題があり
別のデータで左右の被打率について確認してみると、左が.245なのに対し、右は.284と打ち込まれているのと、右打者に対して9本塁打打たれています。
右打者に対しては、ストレート、カーブ、カットボールで攻めていくのが基本スタイルですが、カットボールで仕留める前にストレートを狙い撃ちされるケースもよく見られました。
そのため、スラッターなど高速系の変化球をマスターする事で補おうという考えは理解出来ますので、上手く機能する事を願っています。
2020年の桜井俊貴投手の試金石は紅白戦で
シートバッティングで順調な様子を見せてくれたのは有り難いですが、桜井投手の場合は「結果のみで判断」で良いと思います。
8日の紅白戦で結果を残せば、先発ローテーションとして調整を進めていく方向で良いと思いますし、課題があれば追試で次回の紅白戦や練習試合で投げてもらって、先発ローテーションを判断すれば良い。
それだけの投手に成長した事は認められます。
一番期待したいのは、左右の外角低めにストレートを制球する事。
特に右打者に対しては、シュート回転して真ん中によりガチなので、痛打されても最小限に抑えられるように高さを間違えない事を課題にしてほしいと思います。
大きく縦に割れるカーブ、打者の間合いを外すカットボールは、1軍レベルで十分に通用する球種まで成長していると思いますので、何度も言いますが・・
「ストレートでしっかり押し込む球威と制球(高さ)を間違えない」
この点だけ、注目しておきたいと思います。
ドラ1らしく、堂々としたピッチングを今年も期待しています!
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